講談社選書メチエ<br> 胃弱・癇癪・夏目漱石―持病で読み解く文士の生涯

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講談社選書メチエ
胃弱・癇癪・夏目漱石―持病で読み解く文士の生涯

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065133811
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0395

出版社内容情報

心の暗部を描き続けた夏目漱石は、多病持ちだった。次々襲う病と、文豪はいかに闘ったのか。「病」をキーワードに半生を読み解く!人間嫌いの厭世病。人の心の深い闇を描いた夏目漱石は、多病持ちだった。
疱瘡、眼病、強度の神経衰弱、糖尿病、結核への恐怖、胃潰瘍……。
次々襲う病魔と、文豪はいかに闘ったのか。
医師との付き合い方にミスはなかったのか。
診察の中身は、本当の死因は何だったのか。
そして病は、彼の生み出した文学にどんな影響を与えたのかーー。
ままならない人生に抗い、嫉妬し、怒り、書き続けた49年。
作品、書簡、家族、知人の証言や、当時のカルテを掘り起こし、
その生涯を、「病」という切り口から読み解く!

内容
はじめに ミザンスロピック病
第一章 変人医者が生きかたのお手本 
第二章 円覚寺参禅をめぐって 
第三章 左利きの文人 
第四章 朝日入社前後
第五章 新聞文士
第六章 神経衰弱の実相
第七章 胃が悲鳴をあげている
第八章 森田療法と漱石
第九章 修善寺の大患
第十章 急逝の裏に
むすびに 原稿用紙上の死

本文より)
漱石は頭を掻きむしるようにして、「頭がどうかしている。水をかけてくれ、水をかけてくれ」と唸るようにせきたてた。/見ると、夫は白目を剥いて、尋常ではない。/夫人は、ともかく水をと思い、そばのヤカンから水を口に含んでは口移しに水を与え、そして、漱石の求めに応じて、「貴方、しっかりしなさいよ、しっかりしなさいよ」と言いながら、ヤカンの水を植木鉢に水をやるように、夫の頭に勢いよくかけたのだった。「ああ、いい気持だ。ほんとうにいい気持だ」(「第十章」より)

はじめに ミザンスロピック病
第一章 変人医者が生き方のお手本
第二章 円覚寺参禅をめぐって
第三章 左利きの文人
第四章 朝日入社前後
第五章 新聞文士
第六章 神経衰弱の実相
第七章 胃が悲鳴をあげている
第八章 森田療法と漱石
第九章 修善寺の大患
第十章 急逝の裏に
むすびに 原稿用紙上の死


山崎 光夫[ヤマザキ ミツオ]
著・文・その他

内容説明

人間嫌いの厭世病。人間の深い心の闇を描いた夏目漱石は、多病持ちだった。痘瘡、眼病、強度の神経衰弱、糖尿病、結核への恐怖、胃潰瘍…。次々襲う病魔と、文豪はいかに闘ったのか。病は、彼の文学にどんな影響を与えたのか―。作品、書簡、家族や知人の証言、そして当時のカルテを探しながら、四十九年の生涯を、「病」という切り口から読み解く!

目次

はじめに ミザンスロピック病
第1章 変人医者が生きかたのお手本
第2章 円覚寺参禅をめぐって
第3章 左利きの文人
第4章 朝日入社前後
第5章 新聞文士
第6章 神経衰弱の実相
第7章 胃が悲鳴をあげている
第8章 森田療法と漱石
第9章 修善寺の大患
第10章 急逝の裏に
むすびに 原稿用紙上の死

著者等紹介

山崎光夫[ヤマザキミツオ]
1947年、福井市生まれ。小説家。森鴎外記念会評議員。早稲田大学教育学部卒業。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家―芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

52
文豪の生きざまに対する医学的なアプローチが謎解きのようで面白い。加えて西洋医学興隆期の、スター医師達の生身の姿が興味深い。然し乍らここまで深読みされると、いやそれ程でもなかったんよと、ご本人に抗弁させてあげたくもなる。2019/02/02

100名山

3
掟破りの解説本から夏目漱石に入りました。 唯一読んだのは「抗夫」のみ。 あんなのは人から聞いた話を書いただけ。 「坊ちゃん」なって言うのを書いているのだから夏目漱石は帝大出の坊ちゃんなのだろうと思っていました。 これを読んで結構大変な人生を歩んだことを知りました。 今度夏目漱石を読んでみようと思いました。 本作は非常に読みやすく、夏目漱石を知らない私にも面白く読めました。2018/11/20

Shiho

2
「厭世病」があり、「困つたことに自分はどうも変物である」との意識があり、「己を曲げずして」「忙しくなく時間づくめでなくて飯が食へる」生活を志向する漱石に強く共感した。 漱石が熊本の高校にいた頃、その高校に、森田療法の森田正馬が通っていた。漱石のメンタル疾患は、小説の形で自らの感情を表現し客観化することで和らいだのではないか、そしてそれは、図らずも森田療法の第二期の日記療法のようだとの考察が興味深い。 私も「あるがまま」を日記にする習慣をつけ、禅の勉強を始めてみようと思う。2021/09/06

takao

1
ふむ2020/12/30

Sosseki

1
漱石の目の病気、明治の医師や医学を中心に知らないことがたくさんあった。ただ、「神経衰弱」は、統合失調症とか、恵まれなかった家庭環境(児童虐待)とか、諸説あるが、痘瘡による脳炎や、あばたコンプレックスというのは、ちょっと納得できない。「行人」は執筆が中断したくらいの病状だったが、これについても言及がなかったのは残念。2018/11/19

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