出版社内容情報
輪渡 颯介[ワタリ ソウスケ]
著・文・その他
内容説明
溝猫長屋の奥にある小さな祠に毎朝お参りする子供たちは、なぜか幽霊を「見る」「聞く」「嗅ぐ」ことができるようになるという。そうとは知らない忠次たちは、かつて子供が泥棒に殺された空き家に入り込むのだが…。祠が導く、どっきり×ほっこりの輪渡颯介人情怪談。読むとくせになる文庫新シリーズ開始!
著者等紹介
輪渡颯介[ワタリソウスケ]
1972年東京生まれ。明治大学卒。『掘割で笑う女“浪人左門あやかし指南”』で第38回メフィスト賞を受賞し、講談社ノベルスよりデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
75
皆塵堂シリーズがすごく楽しかったので、こちらのシリーズも。猫が溝板の下に寝てる長屋『溝猫長屋』そこにあるお多恵ちゃんの祠。長屋の最年長の男の子がお参りする決まりがある。そこにお参りした男の子はあるものが見えたり聞こえたり臭ったりするようになる。ちょっと設定がめんどくさい。今年の男の子は4人いてそれぞれ見たり聞いたり臭ったり。そこから未解決な事件が解決される。あとがきに書かれているように猫度は低め。まだすごく楽しい!にはなっていない。さてさてシリーズ読みすすめます。2021/08/05
mihya
36
皆塵堂シリーズを読み終えてしまったのだが、あの感覚を味わいたくて溝猫長屋シリーズに手を出した。 やっぱり面白い。時代ものが苦手な私が輪渡ワールドにすっかりハマってしまっている。 こちらは長屋に住む4人の少年と幽霊のお話。もちろん周りを囲む癖強めの大人と沢山の猫と1匹の犬が出てくる。幽霊話であって、人情話でもあって、猫の…というより犬の話になりそう(?)。 皆塵堂シリーズとは違った面白さもありそう。 表紙のおとないちあきさんのイラストが良い。(特に猫の動き)2022/10/16
ito
32
野良猫が13匹もいる長屋でおこる怪談物語。長屋で最年長の子供たち4人は、「お多恵ちゃんの祠」を毎朝お参りすることになった。毎年、お参りをするようになると幽霊が見えるようになる、しかも幽霊の「(臭いを)嗅ぐ」「(声を)聞く」「(姿を)見る」の役割を一人ずつ担当する。子供たちの個性とそれらをとりまく大家、親分、手習い師匠の関係が微笑ましい。大人達に怒られながら、担当するならどれがいいか、本気で悩む子供たち。過去の事件の真相を追う親分。ほのぼのとした怪談物語だった。2019/10/27
タッキー
15
江戸のたくさん猫が住んでいる長屋に住む悪ガキ4人が、幽霊を『見る』『聞く』『嗅ぐ』で感じることができるようになり、その能力を活かして一つの事件を解決するというストーリー。可もなく不可もなく、サラサラっと読める感じの内容でした。せっかくの猫がたくさん住んでいて、タイトルもどぶ猫長屋なので、猫を事件に絡めればいいのになぁと思いました。2019/08/24
紅子
12
少し前、“DayToDay”にて輪渡さんと出会い、読んでみたい!と思っていたところ、くじ引き選書にて本書が選ばれる。 読みやすく、いたずらっ子の子どもたちがかわいく楽しめた。シリーズなので続けて読んでいきたい。2020/11/09