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出版社内容情報
――あんたいったい、何から逃げた?―― 久遠寺に問われ、菅野は静かに語り始めた。鈴に行った、陰惨な出来事の全てを……。――あんたいったい、何から逃げた?―― 久遠寺に問われ、菅野は静かに語り始めた。彼がなぜかつて久遠寺の元から逃げ出したのか。そして、明慧寺にて鈴に対して何をしてしまったのか。そして菅野は続けた「私は半ば望んで壊れたのです。自分の意志で心を壊し、脳髄の埒外に逃げ出したのです。」彼をここまで追い詰め、変貌させてしまったものは一体何であったのか―――。
志水 アキ[シミズ アキ]
著・文・その他
京極 夏彦[キョウゴク ナツヒコ]
原著
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
62
絶対的な己の脳髄の檻の中に囚われる人々。誰が犯人なのか戦々恐々とする閉ざされた山深き明慧寺で、大悟しては消えてゆく連続僧侶殺人事件。警察も誤認に続く誤認の逮捕祭りでわっちゃわちゃの中、僧侶だらけの悟り大会、悟るな、危険! もいよいよクライマックス。「釋迦も彌勒も彼の下僕に過ぎない。さぁ言ってみろ、彼とは誰か!」……「ぼくだ!」榎木津様の一人芝居が益々神々しい♡いよいよ次巻は憑き物落とし。礼二郎、カムバック!2018/08/21
鱒子
53
kindle クライマックスへ向かって疾走!!ここまで読んでようやく原作での犯人と動機を思い出しました!そーだった、あの人だった。しかし、思い出したのはそこだけ。謎の少女、知能発達が遅れた巨僧、京極堂と榎さんの活躍、えーっと どんなんだったっけ。関口が受難するのは何となく覚えがあるような、いや いつも通りのような……次巻完結なので楽しみです。待ち遠しいな。2018/09/03
雪紫
31
再読。明かされる僧侶の恋模様と終わらない殺人。憔悴し、成長する山下警部補。どんどん人が事件や山に、囚われていく――。蘊蓄は前巻よりおとなしめ、でもやっぱり読むと止まらない。2020/11/24
T.Y.
24
久遠寺と菅野の地下牢対談。松宮仁如と飯窪女史の過去の真相。中島祐賢の行者との間にあったこと…本作には(俗世ですらなかなか認められない)煩悩に苦しみ、迷いを乗り越える僧侶達の姿が描かれていていつもこの辺は涙なしでは読めないのだが、この漫画版ではむしろ山下警部補の「初めて坊さんの言っていることが理解できたような気がする」とそこからの挽回が印象的だった。忠実でありながらこの印象の違いが面白い。迷える者に対する榎木津の身も蓋もない言葉が核心を衝いて痛快。だがその間にも第3、第4の殺人は続けて起こり、そして…?2018/08/17
ぐうぐう
20
脳の埒外、宇宙の声、大悟、領解、それらの言葉はしかし、明慧寺という空間の中で虚しくこだまする。「自分は出られなくなってしまった」いや「出たくなかったのか?」次から次へと僧侶が死ぬ。檻の中で。囚われ。取り憑かれ。2018/08/21