出版社内容情報
不況、戦争、軍隊、敗戦、貧困、病魔、復興、経済成長…激動の時代を個人的実感に支えられた冷静な眼差しで捉え直した記念碑的作品。植民地朝鮮で過ごす幼少期が「僕」の昭和の始まり。受験失敗、厳しい陸軍の日々、敗戦、生活困難のなか書かれた文壇デビュー作「ガラスの靴」。芥川賞受賞の頃には復興も進み時代が大きく変わり始める。六〇年安保の年、アメリカ南部留学は敗戦国日本の戦後の意味を考える視座をもたらした。そして高度経済成長や学園紛争といった新たな変化。激動の昭和を個人的な実感に基く把握と冷静な筆致で綴った記念碑的名作。
安岡 章太郎[ヤスオカ ショウタロウ]
著・文・その他
加藤 典洋[カトウ ノリヒロ]
解説
内容説明
大正天皇崩御と御大葬の記憶で「僕」の昭和が始まった。成長期に浴びた戦前の空気、満州での軍隊体験、敗戦。貧困と病に苦しむなか書いた「ガラスの靴」で文壇に登場。やがて芥川賞受賞、結婚と「僕」の生活は安定しはじめる。六〇年安保自然成立後に旅立ったアメリカ南部への留学。帰国後に見た高度経済成長や学園紛争といった新たな変化。個人的実感に基づく把握と冷静な筆致で綴る稀有な同時代史。
目次
僕の昭和史1
僕の昭和史2
僕の昭和史3
著者等紹介
安岡章太郎[ヤスオカショウタロウ]
1920・5・30~2013・1・26。小説家。高知県生まれ。1941年慶應義塾大学文学部予科入学、44年に陸軍に応召、満州へ送られるも肺結核で除隊。戦後復学するが、脊椎カリエスを患う。48年、英文科を卒業。51年、文壇デビュー作「ガラスの靴」が芥川賞候補となり、吉行淳之介、阿川弘之らとともに「第三の新人」と呼ばれる。53年、「悪い仲間」「陰気な愉しみ」により芥川賞受賞。60年、『海辺の光景』で野間文芸賞、67年、『幕が下りてから』で毎日出版文化賞、74年、『走れトマホーク』で読売文学賞(小説賞)、82年、『流離譚』で日本文学大賞、88年、『僕の昭和史』で2度目の野間文芸賞、91年、「伯父の墓地」で川端康成文学賞、96年、『果てもない道中記』で読売文学賞(随筆・紀行賞)、2000年、『鏡川』で大佛次郎賞等、数々の文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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佐島楓
geromichi
たぴ