講談社選書メチエ<br> 創造の星―天才の人類史

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講談社選書メチエ
創造の星―天才の人類史

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  • サイズ B6判/ページ数 328p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065126684
  • NDC分類 130.4
  • Cコード C0310

出版社内容情報

魔女狩りの焔が飛び散る15世紀からナチズムの狂乱に至る20世紀まで。大地を揺るがしつつ展開された天才たちによる創造の精神史!レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519年)が《モナ・リザ》を描き、デジデリウス・エラスムス(1466-1536年)が『痴愚神礼讃』を世に問うた16世紀初頭、ヨーロッパには「魔女狩り」の嵐が吹き荒れていた。「ルネサンス」と呼ばれる時代は、決して「文芸復興」という言葉で表しきれるものではない。そこには理性を完璧なまでに超越してしまうものを夢見る「非理性的創造者」が生み出され、のちの世界を翻弄していくことになる──。
本書は、『魔女の槌』なる書物が出現して「魔女狩り」の焔が点火される15世紀から、ナチスの狂乱が演じられる20世紀まで、500年に及ぶ精神史を描き出そうとする前人未到の試みである。
ヨハネス・ケプラー(1571-1630年)とルネ・デカルト(1596-1650年)が活躍した17世紀を経て、混沌としていた「魔術」と「科学」の境界が確定されていく。その結果として起きたのは、皮肉にも「科学」から排除された「非理性」の噴出だった。そうして18世紀には、イマヌエル・カント(1724-1804年)をも魅了したエマヌエル・スウェーデンボルグ(1688-1772年)が現れ、やがてヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-91年)という天才が生まれた。
噴出した非理性は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827年)の《第九》(1824年初演)とともに19世紀を迎え、ついにリヒャルト・ヴァーグナー(1813-83年)を出現させる。その流れは、やがてアドルフ・ヒトラー(1889-1945年)という存在をもたらしたが、その傍らでは、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-90年)が、フョードル・ドストエフスキー(1821-81年)が、そしてフリードリヒ・ニーチェ(1844-1900年)が火花を散らせていた──。
幾多の天才たちを生み出した「創造の星」たる地球は、その後、どんな道をたどったのか? そして、21世紀を迎えた今、これからどこに向かおうとしているのか? 停滞期に入ったとさえ感じられる今、人類の来し方と行く末を考えるために。第一級の精神科医が放つ、誰も目にしたことのないヨーロッパ精神史。

はじめに
第一章 魔術と科学のあいだの揺動:15?17世紀
1 ルネサンスの創造的非理性
2 魔女狩り
3 魔女狩りと闘う医師ヴァイヤー
4 ケプラーの神秘天文学
5 魔術と科学のあいだ
第二章 非理性の噴出:18世紀
 1 スウェーデンボルグ問題
 2 無意識の発見
 3 モーツァルトという陰翳
 4 反復するラプトゥス (1):ベートーヴェンの場合
 5 反復するラプトゥス (2):ヘルダーリンの場合
 6 ラプトゥス、その病理性と生命性
第三章 アポロンとディオニュソスの相剋:19世紀
 1 《第九》以後に創造すること
 2 ロマン主義芸術のラプトゥスに襲われた世代
 3 夢幻恍惚と痙攣発作と
 4 癲癇/ヒステリー/緊張病
 5 ボードレールにとってのドラクロワ
 6 ヴァーグナーとボードレール
 7 『罪と罰』出現以降の創造
 8 印象派絵画の悪夢
 9 ゴッホはモネをどう見ていたか
 10 《ニーベルングの指環》全曲初演
 11 ヴァーグナー問題と〈ヒステリー〉問題
 12 『カラマーゾフの兄弟』の出現
第四章 非理性の稲妻:20世紀への架橋
 1 ニーチェの場合
 2 いかなる「病気」がニーチェを創造者にし、そして破壊したのか
 3 ゴッホの場合
 4 『夢解釈』の出現
 5 シュレーバーは妄想者か、夢幻者か
 6 ニジンスキーという現象
 7 超人の舞踏と〈緊張病〉
第五章 人類のゆくえ:20世紀以降
 1 『自我とエス』
 2 創造する連帯の舞台としての〈エス〉
 3 ナチズム
 4 ヤスパースの歴史眼
 5 来たるべき「枢軸時代」の兆候?
 6 「カラマーゾフシチナ」の現代性
 7 「枢軸時代」と「反?枢軸時代」
 8 「反ー枢軸時代」の不透明性を生きる
書 誌
あとがき
人名・作品名索引


渡辺 哲夫[ワタナベ テツオ]
著・文・その他

内容説明

ダ・ヴィンチの“モナ・リザ”とエラスムスの『痴愚神礼讃』を生んだ一六世紀はヨーロッパに「魔女狩り」の嵐が吹き荒れた時代だった。その嵐の中に出現した、理性を完璧なまでに超越したものを夢見る「非理性的創造者」としての天才たちの系譜は、以降、五〇〇年にわたって世界を翻弄し続けていく―。スウェーデンボルグ、モーツァルトからベートーヴェンを経てヴァーグナー、ニーチェ、そしてドストエフスキーに至るまで、第一級の精神科医が完成させた唯一無二の思想劇が、ここに幕を開く。

目次

第1章 魔術と科学のあいだの揺動:15~17世紀(ルネサンスの創造的非理性―エラスムスが見た「理性=狂気」の光景;魔女狩り―ルネサンス裏面の暗黒、あるいは『魔女の槌』の出現 ほか)
第2章 非理性の噴出:18世紀(スウェーデンボルグ問題;無意識の発見―メスメルとピュイゼギュールをめぐる人々 ほか)
第3章 アポロンとディオニュソスの相剋:19世紀(“第九”以後に創造すること;ロマン主義芸術のラプトゥスに襲われた世代 ほか)
第4章 非理性の稲妻:20世紀への架橋(ニーチェの場合;いかなる「病気」がニーチェを創造者にし、そして破壊したのか ほか)
第5章 人類のゆくえ:20世紀以降(『自我とエス』―創造する連帯の基礎づけ;創造する連帯の舞台としての“エス” ほか)

著者等紹介

渡辺哲夫[ワタナベテツオ]
1949年、茨城県生まれ。東北大学医学部卒業(医学博士)。都立松沢病院、東京医科歯科大学、栗田病院、稲城台病院などを経て、現在、いずみ病院(沖縄県うるま市)勤務。専門は、精神病理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

10
知人女性やシューベルトまでをも圧倒して取り込み「こんな気ちがい曲を聴かすな!」とゲーテを激昂させた、非理性が渦巻く巨大なエスの化身として描かれる旧支配者風ベートーベン像が色々とヤバイ。全地球の全人類精神を一気に稲妻のように照らし出す「人類の星の時間」にエスの混沌としたデュオニュソス的な非理性の霊感が天才という形で凝縮して噴出する、との仮説というか妄想紙一重の理論を採用してる書なので、普通の精神医学本では味わえない視点で偉人たちの歴史を眺められる。二世代くらい前のパラダイムを思わせる文体は人を選ぶ。かなり。2019/04/14

袖崎いたる

4
天才になるために、狂人に倣え。2019/03/18

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