出版社内容情報
南町奉行所の御奉行を怒らせた! 江戸のお騒がせ男に知恵を与えた為に紋蔵に、とばっちりが。人気シリーズ最大の危機が迫る最新作
内容説明
剣術道場を開く、江戸のお騒がせ男・蟋蟀小三郎が、南町奉行所の同心・藤木紋蔵を訪ねてきた。借用証文を偽造した嫌疑で牢に繋がれている弟子の父親を助けてほしいという。紋蔵は小三郎に知恵を授けるが、おかげで公事裁定を下した御奉行の面目は丸潰れ。御奉行は烈火の如く怒り、紋蔵は失職の窮地に陥る。
著者等紹介
佐藤雅美[サトウマサヨシ]
1941年1月兵庫県生まれ。早大法学部卒。会社勤務を経て、’68年からフリー。’85年『大君の通貨』で第4回新田次郎賞、’94年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kei302
63
2021ナツイチ『九十九藤/西條奈加』を読んだ勢いで読み始めた本。人宿「八官屋」親方の捨𠮷を思い出したので。 捨𠮷の出番は一瞬で、江戸の「お騒がせ男」蟋蟀小三郎がちょろちょろしてた。最後の数行、さすがです。御奉行もここまで。 そして そして、 文吉の将来が大きく変わった巻だった。文吉が成長する姿をもっと読みたかった(; ;)2021/07/26
RED FOX
12
「御褒美取るべく巧みにて偽りの訴人いたし候もの 敲のうえ中追放」普段は紋蔵を嫌ってるのに、しかも関係ないのにピンチになると紋蔵に頼る上司達が相変わらずだが紋蔵の解決案が毎回楽しみ。2024/10/14
蕭白
6
安定した面白さです。2019/09/23
qoop
4
長期シリーズながらパワー衰えず読ませるのは、史実に基づくバックボーンの厚みと、無常感を漂わせながら落としどころを巧く捉えた著者の構成力、そして個性的な上にリアリティを感じさせる人物造形に因る。本書では他作品の蟋蟀小三郎を登場させた点が目を引くが、奉行のキャラクターが著者らしい曲者ぶりで面白い。皮肉なラストも含め、著者の作品ならではの味わい。それにしても、こうした作品を書き続けられる筆力には感服する。2019/12/30
ぺしみち
0
文吉、勿体ない気もするけど仕方がないのかなー。2020/06/15