出版社内容情報
LAハードボイルドの金字塔!ボッシュシリーズ新境地! あたかもフィリップ・マーロウのように、探偵として街を駆け抜ける。
内容説明
ボッシュはロス市警時代の旧知の知人が本部長を務めるロス北郊のサンフェルナンドの市警察に誘われ、無給の嘱託刑事として勤務するようになっていた。一方で取り直した免許により、私立探偵として個人的な仕事を受けていた。ある日、85歳の大富豪ホイットニー・ヴァンスから呼び出され、人捜しを依頼される。
著者等紹介
コナリー,マイクル[コナリー,マイクル] [Connelly,Michael]
1956年、アメリカ・フィラデルフィア生まれ。フロリダ大学を卒業し、フロリダやフィラデルフィアの新聞社でジャーナリストとして働く。手がけた記事がピュリッツァー賞の最終選考まで残り、ロサンジェルス・タイムズ紙に引き抜かれる
古沢嘉通[フルサワヨシミチ]
1958年、北海道生まれ。大阪外国語大学デンマーク語科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
159
ボッシュシリーズの最新刊にやっととりかかれました。プロローグのようなところで、ベトナム戦争らしき場面が出てきます。前回の事件から、今回は無報酬でのロスの中に存在する小さな市の嘱託刑事と私立探偵の掛け持ちということで設定がうまくなされていると感じました。二つの事件を追うことになります。私立探偵としては大富豪に人探しを頼まれ、刑事としては未解決事件(連続婦女暴行事件)を追うということになります。細かいところまでうまく考えている作家ですね。2019/08/27
Tetchy
154
2つの事件はよくあるミステリのように意外な共通点があるわけではなく平衡状態で進むが、コナリーは決してそれら2つの話に不均衡さを持たせない。どちらも同じ密度と濃度で語り、読者を牽引する。本書はボッシュの私立探偵小説と警察小説を同時に味わえる、非常に贅沢な作りになっている。1950年に別れた女性の足跡をそれまで培ってきた未解決事件捜査のノウハウと刑事の直感で切れそうな糸を慎重に手繰り寄せるように一つ一つ辿っていくボッシュの捜査はなかなかにスリリングで、しかも人生の綾をじっくりと味わわせる旨味に満ちている。2020/04/06
ケイ
124
ボッシュシリーズ既訳での最新刊。レイプ犯と億万長者の後継ぎ探し。ボッシュの身分は相変わらず微妙で、さらにそれを不安定にさせる身近な敵が今回も。ボッシュが心配で、気付くと上巻が終わっていた。しかし、今回はベトナム戦争やエコーパークの描写が出てきたことでボッシュ作品最初の頃との違いも痛感した。あの暗さがないのだ。真っ暗闇の中に時折光る微かな光の中で、這いつくばりながら真実を探そうとするボッシュの姿はもうない。母の闇を追い求めるボッシュと、娘を心配するボッシュは、やはり違う。作品自体への感想は下巻で。2019/11/15
のぶ
104
まだ上巻を読む限りだが、本作のハリー・ボッシュは、私立探偵でありながら無給の嘱託刑事という何か半端な立場。冒頭にセキュリティ会社の顧客の大企業のオーナーである85歳の富豪、ホイットニー・ヴァンスから大学生の頃知り合い、妊娠させながらも、親に仲を裂かれたメキシコ人の恋人に子供がいれば、探してほしいと依頼を受ける。単純な話かと思い読み始めたが、物語は意外な広がりを見せる。加えて登場人物が結構多く予想以上に複雑だ。この先どうなっていくのかまだ見えない。でも面白い内容で下巻が楽しみだ。2019/07/28
雅
57
久々のボッシュシリーズ。嘱託刑事として連続暴行犯、私立探偵として人探し。相変わらず精力的です。この本を手にした時、思ったより薄いと思ったけど中身は読み応えあります2019/09/03