出版社内容情報
戦後昭和の四十余年を思い、この三十年の変化に身を置いたとき、きたるべき時代・社会、そして皇室ははどうなるのかを問う渾身の一冊本書は雑誌『選択』に2008年から10年にわたって今も連載されているコラム「皇室の風」を書籍化するものです。
連載第1回で著者はこう記しています。
「『帝国の統治権の総攬者』から『平和と民主主義の象徴』へと変わったが、あたかも座標軸が大きく転換しても動かぬ「原点」のように天皇はこの(皇居の)中からお濠の外を見続けてきた。
この二十余年、皇居では昭和天皇の大喪、現天皇の即位礼、太古の宗教儀式・大嘗祭、皇太子結婚など国家的イベントがあった。皇室や仕える人々の悲喜こもごものドラマもあった。今も進行中だ。天皇は皇后とともに、座標軸とそれで区切られる数々の象限を見つめ、時に悩み、引き裂かれる思いにとらわれながら戦い続けてきたように感じる」
それからさらに十年のうちに、東日本大震災があり、そしてついに退位の表明がなされ、「平成」はカウントダウンの段階に入りました。
この30年がわが国の歴史においていかなる時代であったのか、社会の変動と皇室がどうかかわってきたのか、そしてきたるべき新元号のもと、皇室と日本はどうなっていくのかを展望します。
◎遠くなる「昭和」をめぐって
◎「平成流」皇室とはなんだったのか
◎慰霊の旅から
◎皇室における公と私
◎きたるべき新時代に向けて
ほか
岩井 克己[イワイ カツミ]
著・文・その他
内容説明
天皇制のいったいなにが変わり、なにが残されようとしているのか?雑誌『選択』で十年続く皇室ウォッチャーの名物連載を完全書籍化!
目次
はじめに―光の底のブラックホール
お濠の向こうは
「昭和」は遠く
終わらない「戦後」
「退位」をめぐる歴史意識
「平成流」皇室と東日本大震災
皇后・東宮・内親王
忘れえぬ人
神話は生きている
必ずあること
皇室とメディア
きたるべき新時代に向けて
著者等紹介
岩井克己[イワイカツミ]
1947年、富山県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。1971年、朝日新聞社入社。1986年から東京社会部皇室担当。1994年から2012年まで朝日新聞編集委員、同年5月退社。2005年、「紀宮さま、婚約内定」の特報で新聞協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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