講談社選書メチエ<br> 主権の二千年史

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講談社選書メチエ
主権の二千年史

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065118450
  • NDC分類 311.7
  • Cコード C0310

出版社内容情報

なぜ民主主義は危機に陥ったのか? 古代ギリシア以来の壮大な歴史をたどり、真の理解の下で重要な提言を行う画期的な試み。今日、民主主義の危機が叫ばれることが多い。日本でも投票率は1980年代をピークに下降の一途をたどり、民主的な選挙で選ばれたはずの政治家に反対するデモが行われることもめずらしくなくなった。
振り返れば、民主主義が正当な統治形態とみなされるようになったのは20世紀に入ってからのことにすぎない。そして、早くも20世紀後半には民主主義の限界や欠陥が指摘されるようになった。本書は、今や危機に瀕している近代的な民主主義が成立する過程を、古代ギリシア以来の二千年以上に及ぶ歴史の中で描き出す壮大な試みである。
だが、本書の目的は単に歴史学的なものではない。歴史的な経緯を追うことによってのみ判明する民主主義の根本的な問題を剔出することが主眼である。危機をもたらした問題を明確に認識しないかぎり、その解決策を導き出すことは決してできないだろう。
この試みの導きの糸となる概念が、本書のタイトルにある「主権」にほかならない。民主主義をもたらしたメカニズムは「貨幣」と「権力」を軸にしている。だが、この両者は決して別々のものではなく、複合的に働いている。その働きを可能にしたのが「主権」という概念である。だからこそ、経済(学)と政治(学)を区別し、貨幣と権力をそれぞれ独立した媒体と考える従来の理解では、民主主義の危機を真に理解することはできない。
本書は、経済学者にも政治学者にもなしえなかった比類なき達成であり、第一級の社会学者として知られる著者による提言の書である。


プロローグ
第一章 近代民主主義とは?
1 機能分化した政治システム
2 人民主権・立憲主義・代表原理
3 古代民主政と近代民主主義
4 民主主義の「ありそうもなさ」
5 社会の自己組織化としての近代民主主義
第二章 近代民主主義への道
1 供犠と権力──自己否定的な自己組織化様式
2 西欧中世における王権観念の変遷
3 封建制とキリスト教
4 中世前期──聖俗二元体制の形成
5 中世後期──教会の国家化と国家の教会化 (1)
6 中世後期──教会の国家化と国家の教会化 (2)
7 立憲主義・代表制・人民主権論
8 自己否定的な自己組織化様式の否定
第三章 近代民主主義の成立と構造
1 近代の中の中世
2 絶対主義国家の過渡的性格
3 市民革命と脱宗教化
4 市民的公共性と近代民主主義
5 政治システムの機能分化
6 機能分化の基礎的条件──「公と私」の分離
7 機能分化の追加的条件──三つの限定
8 近代の自己組織化様式
第四章 近代民主主義の揺らぎ
1 戦後体制の崩壊
2 領域的限定からの乖離
3 規範的限定からの乖離
4 方法的限定からの乖離
5 近代社会の変容
6 近代民主主義の危機
エピローグ 情報化時代の民主主義
1 民主主義をめぐる理論と実践
2 遠隔デモクラシー
3 現代的な自己組織化と民主主義
文献一覧
あとがき

正村 俊之[マサムラ トシユキ]
著・文・その他

内容説明

民主主義は本当に有効な装置なのか?低下する投票率、頻発するデモ、そして増大する社会不安…今日の状況は、民主主義の限界と欠陥をはっきり告げている。では、その原因はどこにあるのか?本書は「主権」という概念をキーワードに権力と貨幣のメカニズムの変遷を壮大なスケールで描き出し、政治学者にも経済学者にもつかめなかった本質を抉り出す。第一級の社会学者が挑む前人未到の大胆な企て!

目次

プロローグ
第1章 近代民主主義とは?(機能分化した政治システム;人民主権・立憲主義・代表原理 ほか)
第2章 近代民主主義への道(供犠と権力―自己否定的な自己組織化様式;西欧中世における王権概念の変遷 ほか)
第3章 近代民主主義の成立と構造(近代の中の中世;絶対主義国家の過渡的性格 ほか)
第4章 近代民主主義の揺らぎ(戦後体制の崩壊;領域的限定からの乖離 ほか)
エピローグ 情報化時代の民主主義(民主主義をめぐる理論と実践;遠隔デモクラシー ほか)

著者等紹介

正村俊之[マサムラトシユキ]
1953年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。大妻女子大学社会情報学部教授。東北大学名誉教授。専門は、社会学・コミュニケーション論・社会情報学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

6
とても勉強になった。人民主権と立憲主義と代表原理という「ありそうもない」組み合わせで近代民主主義はできているが、それは現在、危機に立っている。この近代民主主義、権力をメディアとする政治システムは、西欧中世社会の中から成立してきた。近代民主主義の危機は、政治システムの内部のインプットがうまく機能しない面と、外部主体により政治的決定がなされる面の2つに分類できる。90年代以降盛んに行われてきたミニ・パブリックスと社会運動は、この危機に対応するものである。 著者の他の本も読みたくなった。2021/05/06

左手爆弾

2
あまり読む意義を感じない。まず、タイトルが不適当だ。全体を通じて、「主権」という狭い概念ではなく、社会システムや支配形態のような広い概念について語られているように思う。主権概念の系譜をただたどるような記述にはしたくないといったことも書かれているが(10-11頁)、実際は古代から現代にいたるまでの社会の変化についての理論を次々に並べていくだけ。ひとつひとつの説明はとても薄く、「〜になったから、××になった」という記述のパッチワークに読めてしまう。わかりにくい上に内容が薄いという非常に残念な本。2019/01/08

にゅと

0
後半部分はあんまりだが、主権概念の成立の説明は興味深い。2024/03/01

かずい

0
中世以降の近代民主主義において主権は教会から国王、法による王権、フランス革命などの市民革命後は国民主権へと移行した。そうした中、近代民主主義は内部・外部からの多様な要素から危機が生じ空洞化、弱体化しているという。歴史の部分は役に立ったが、現代の民主主義を不完全のであること嘆いているが、絶対主義的な中世からの国家主権から考えれば現在の国民主権は「完成品」とは言えないまでも少なくともマシと言える「良質」になったのではないかと思うのである。2018/09/23

check mate

0
ざっと読んでみたけど著者が「主権」という概念をどのように意味で使っているのかが最初から最後まで分からなかった2018/09/09

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