ブルーバックス
自閉症の世界―多様性に満ちた内面の真実

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  • サイズ 新書判/ページ数 631p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065020142
  • NDC分類 493.76
  • Cコード C0247

出版社内容情報

自閉症は障害ではなく「脳の多様性」だ──最新の知見と驚きの真実を描き出した科学ノンフィクションの傑作。オリバー・サックス序文現代は自閉症が増えている!? 天才や起業家には自閉症的傾向が多い!?
知的障害ではなく、精神疾患でもない、自閉症とはいったい何なのか?
20世紀半ばに研究が始まった自閉症。さまざまな誤解と偏見を経て脳科学的に理解されるまでを緻密な取材でたどりながら、自閉症の真の姿に迫る。現在、「自閉症スペクトラム」としてアスペルガー症候群やサヴァン症候群などの発達障害も含む幅広い概念として捉えられるようになったのはなぜか。知的障害ではなく、精神疾患でもなく、感じ方や考え方が異なる人たちである自閉症者を、人類に備わった「脳多様性(ニューロダイバーシティ)」という新たな視点から捉え直す科学ノンフィクション。
序文をオリバー・サックス(脳神経学者で、映画『レナードの朝』の実在の主人公、『火星の人類学者』などの著者)
「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー、英国で最も権威あるノンフィクション賞BBC Samuel Johnson Prizeを受賞。

自閉症であるとはどのようなことかを理解するために、これほど多くの時間を費やした人を私は彼以外には知らない。(中略)これは、洞察力に富む自閉症の歴史書であり、読者を魅了する物語である。この書物があなたの自閉症に対する考え方を変え、自閉症と人間の脳の働きに関心を持つ多くの人々の本棚に並ぶことになることを切に願う。──オリバー・サックスによる序文より

自閉症、失読症、注意欠陥/多動性障害(ADHD)のような状態は、技術と文化の発展に貢献するそれぞれ固有の強みを持つ、自然に起こる認知的多様性とみなされるべきだ──「序章 自閉症は増えているか」より

スティーブ・シルバーマン[スティーブ シルバーマン]
米国サンフランシスコ在住の科学ジャーナリスト。20年以上にわたり、「ニューヨーカー」「タイム」「ネイチャー」誌等に寄稿している。米国カブリ科学ジャーナリズム賞受賞。ポップカルチャーにも造詣が深く、「ワイアード」誌に定期的に連載記事を掲載。

正高 信男[マサタカ ノブオ]
大阪生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。米国立衛生研究所、独マックス・プランク精神医学研究所などを経て、現在は京都大学霊長類研究所教授。著書に『コミュ障 動物性を失った人類』(ブルーバックス)『音楽を愛でるサル』(中公新書)など多数。

入口 真夕子[イリグチ マユコ]
リバプール大学考古学科卒。数年間の社会人経験を経て、同大学大学院エジプト学の修士号を取得。現在、京都大学理学研究科博士後期課程に在籍。

内容説明

20世紀半ばに研究が始まった自閉症。さまざまな誤解と偏見を経て、脳科学的に理解されるまでをたどりながら、知的障害ではなく、精神疾患でもない、感じ方や考え方が異なる人たち=自閉症スペクトラムの真の姿に迫る。「脳多様性(ニューロダイバーシティ)」という新たな視点から捉え直す科学ノンフィクション。「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー、英国で最も権威あるノンフィクション賞BBC Samuel Johnson Prize受賞。

目次

クラハム・コモンズの魔術師
緑のストローへのこだわり
シスター・ヴィクトリンは何を見たのか
魅力的な特異性(奇妙さ)
毒親の誕生
ハイテクのパイオニアとして
怪物とたたかう
自然界のものをはっきりと二分するのは不可能である
レインマン効果
パンドラの箱
自閉空間の中で
「脳多様性」の世界をめざして

著者等紹介

シルバーマン,スティーブ[シルバーマン,スティーブ] [Silberman,Steve]
米国サンフランシスコ在住の科学ジャーナリスト。20年以上にわたり、「ニューヨーカー」「タイム」「ネイチャー」誌等に寄稿している。米国カブリ科学ジャーナリズム賞受賞。ポップカルチャーにも造詣が深く、「ワイアード」誌に定期的に連載記事を掲載

正高信男[マサタカノブオ]
大阪府生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。米国立衛生研究所、独マックス・プランク精神医学研究所などを経て、京都大学霊長類研究所教授

入口真夕子[イリグチマユコ]
リバプール大学考古学科卒。数年間の社会人経験を経て、同大学大学院エジプト学の修士号を取得。現在、京都大学大学院理学研究科博士後期課程に在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

81
「現代は自閉症が増えている!? 天才や起業家には自閉症的傾向が多い!?20世紀初頭に研究が始まった自閉症。さまざまな誤解と偏見を経て脳科学的に理解されるまでをたどりながら、「自閉症スペクトラム」と呼ばれる人たちの真の姿に迫る。「脳多様性」という新たな視点から捉え直す科学ノンフィクション」というもの。2023/01/16

ばんだねいっぺい

34
「自閉症」が世に認められるまでの紆余曲折。政治家もそうだが、科学者の誤りも罪が重い。「レインマン」のように多様性を認めていく文化は、素晴らしいと再確認した。2022/03/23

Tui

34
カナーとアスペルガーという、まったく主張を異にする学者の存在が、この分野の研究に進化と混乱の両方を招いてきた。アスペルガーに功績あれど、やはり罪の大きさは計り知れない(アスペという蔑称を出すまでもなく、彼の名は発達障害の代名詞であり続けている)。今も誤解は消えず、一部では誤った教育法が採用されてさえいる。まだ発展途上の分野なのだ。これまでの研究の成果とともに、偏見や誤解と苦しみ戦ってきた本人とその親の(語弊ある言い方になるが)英雄譚としても読める。硬めの内容、静かな文章、なのに読んでいて気持ちが熱くなる。2017/07/18

eirianda

29
参考までに読んでみようと思い手に入れたが、あまりの面白さに一気読み。分厚い本だけど、すごく読み応えがあった。オリバーサックスが好きなので、内容が入りやすかった。偏見に満ちた時代を経て、今は理解がある。とはいえ、生きにくい。超内弁慶で一人で絵ばかり描いていた、自分の幼い頃を思い出すと、(小三で急に社交的になった) 自分もその一人だったのかもしれない。ただし、知能は至って普通…。高機能の人は、本物の天才、と思っている。2018/03/09

tom

23
アスペルガー症候群、発達障害、自閉症、こういったラベルを貼られることになってしまった人たちについて、症例の発見と現在までの理解の通史。最初にこの症例を記述したのはハンス・アスペルガー、そして、彼を無視し、自分の発見だと語った米国人カナー。その後に現れた、自分の子どもを生き延びさせたいと思う親たちとその援助者、寄生虫のようにして食らいつく連中などなど。人間の善意と悪意の物語のようにも、読むことができる。アスペは強弱人それぞれ、どの人の中にもある。毎日毎日、一人遊びをしている私だって、緩いアスペ。良書です。2017/07/09

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