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出版社内容情報
水木 しげる[ミズキ シゲル]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
26
戦記3編を収録した全集。戦記とは言え、収録された作品は、ほぼドキュメントでもある。実際の体験に基づいた出来事に、あえてフィクションを交えることで、戦争そのものに対する水木しげるの想いが伝わってくる。表題作は凄まじいのひとことだ。解説を、水木作品を読んだことのない女優ののんに依頼した京極夏彦はさすが。2018/05/02
剛腕伝説
14
国家や人民の命そのものを賭け物にして賭場に放り込む様な事をした昭和の陸軍(司馬遼太郎談) 。その犠牲者は国民であり、戦争にとられて死んだ若者たちである。どんな大義名分を掲げようと、自らの利益(石油だったり領土だったり)の為に多くの命を奪った戦争は許されるものでは無い。 戦争こそがこの世で最大の理不尽である。 2021/05/22
軍縮地球市民shinshin
9
戦記漫画の傑作『総員玉砕せよ!!』が素晴らしい。日本軍は戦時でも官僚化していて、一旦大本営に玉砕したと報告したので、生き残りがいることは許されないから指揮官を自決させて、残りの兵隊は再突入させる、という。史実は再突入はなかったようだが、それでもこの思考パターンは硬直化した官僚の思考そのものだろう。帳尻合わせということだ。精神論ばかりで具体的な戦術作戦がみられないというのも大戦末期の日本軍の特徴である。やはり実際に戦場を知っている作家の作品はリアリズムがあって圧巻である。当時の陸軍の実態が描かれている。2018/09/04
Shin
6
図書館にて読了。淡々と戦場での日々が描かれていくと共に、タイトル通り「玉砕」への道を進んでいく兵士達。そこにいたのは軍人以前にひとりの人間だった。太平洋戦争で過酷な状況を体験した水木しげる先生だからこそ描けた作品ではないだろうか。2020/10/03
高須力弥
5
戦場での極限状態におかれた人間たちがどのように考え、どのように行動するかを描いた、まさに水木しげる漫画大全集の締めくくりに相応しい傑作です。2018/05/06