水木しげる漫画大全集 〈０２２〉 墓場鬼太郎 １

水木しげる/京極夏彦

講談社（2014/08発売）

• サイズ コミック判／ページ数 440p／高さ 21cm
• 商品コード 9784063775082
• NDC分類 726.1
• Cコード C9979

出版社内容情報

国民的キャラクターである鬼太郎の、誕生秘話が描かれた貸本漫画『妖奇伝』『墓場鬼太郎』がついに本全集に登場！　恐ろしくも悲しい鬼太郎たちのルーツを、かつてない美しさで完全再現!!　これこそが、鬼太郎の原点。
『水木しげる漫画大全集』０２２（１９６０）、第1期第１５回配本。

目次
★収録作品
「幽霊一家」「幽霊一家　墓場の鬼太郎」「地獄の片道切符」「下宿屋」「あう時はいつも死人」「怪奇作家を訪ねる」「妖怪教室」「実録怪談　ろくろ首」「伝説をたずねて」「伝説　酒天童子」「怪奇名作劇場『むじな』（原作・小泉八雲）」
★資料編
★解説「次は、どういう鬼太郎にしましょうか？」清水慎治（東映アニメーション・プロデューサー）
★初出一覧
★付録「茂鐵新報」通巻１－３０号
・今日の一言「ソファー化しとる」（水木しげる）
・水木しげるインタビュー「紙芝居は印刷機のように」
（ほか）

著者紹介
著：水木しげる（ミズキシゲル）
本名、武良茂。1922年（大正11年）生まれ。鳥取県西伯郡境町（現・境港市）で育つ。幼い頃から物語をつくる力に優れ、また天才的な画力を発揮。高等小学校在学中に個展を開き、新聞に絶賛される。しかし学業のほうは芳しくなく、一旦は上級学校への進学を断念するが画家になる夢は諦めず、仕事の傍ら塾や独習で画力を磨く。
やがて太平洋戦争の召集により、南方の激戦地に送られマラリヤと爆撃で左腕を失うが、九死に一生を得て帰還する。
戦後は様々な職業を経て、紙芝居作者、貸本漫画家となり、「別冊少年マガジン」に発表した『テレビくん』で講談社児童漫画賞（現・講談社漫画賞少年部門）を受賞。その後『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』とヒット作を続けて発表、日本を代表する国民的漫画家となる。
近年、夫人との暮らしぶりがＮＨＫの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で描かれ、爆発的なブームを巻き起こした。
紫綬褒章、旭日小受章、文化功労者の栄を得て、世界各国の漫画賞も受賞し、漫画史に名を刻む存在となった。

原作：小泉八雲（コイズミヤクモ）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[吉田あや]

鬼太郎誕生の原点となる「幽霊一家」。この章での主人公となる「秋山くん」は「血液銀行」に勤める会社員。血液銀行！銀行の名前にも墓場感…さすがだ、と思っていたら、血液を扱う名前そのままの血液銀行！ある日秋山くんはいつも通り会社に遅刻して出社すると社長からお呼びが。「また叱られるのかな」と憂鬱顔で社長室に向かう秋山くん。すると叱られるでなく社長から「我が社の製品に幽霊の血が混じっていたので内密に調査してほしい」と、社内一やる気がないと思われる秋山くんになぜか白羽の矢が！（⇒）

2020/03/06

[ぐうぐう]

貸本版の『墓場鬼太郎』。怪奇専門誌に掲載されたこともあり、アメコミ調のおどろおどろしいタッチで描かれているものの、それも最初だけ。容姿こそ、のちの『ゲゲゲ』とは違い、ゾッとするデザインだが、水木のペンがノッてくる毎に、鬼太郎がのど自慢大会に出場するエピソードに代表されるように、ユーモアとキテレツさが際立ってくる。それでいて、勧善懲悪に陥らないこだわりは譲らない。鬼太郎はその始まりからして、すでに懐の深い漫画なのだった。

2014/08/26

[Tkc Knk]

【☆☆☆☆】【次も欲しい】【2014年】 言わずと知れた、鬼太郎のオリジン。映画「ゲゲゲの謎」は、この話の前日譚。紙の書籍は現在絶版で、古書が高騰中。次巻が欲しいが手が出ない。

2024/06/11

[しろきいろ]

Kindle版。こちらから鬼太郎入門するともしかしたら以降の全作品が「あれ…なんかパンチ弱いな…」となるかもしれない諸刃の逸品（にわか）

2019/02/23

[大臣ぐサン]

漫画版鬼太郎の原点となった記念すべき貸本版の『墓場鬼太郎』がついに全集に！貸本ならではのおどろおどろしさ。もはや水木しげるは完成している。更に巻末収録の『妖怪教室』は貸本時代に書かれた妖怪の解説で大先生のライフワークとなる妖怪画の原点である。1冊通して非常に貴重な資料の宝庫だ。垂涎垂涎。

2014/08/02