出版社内容情報
茂の求めていた“地上の楽園”は何処へ…。『ゲゲゲの鬼太郎』の大ヒットで一躍大人気作家となった茂。やがて時代は昭和から平成へ――。そして、茂は再び、数十年ぶりに思い出の地、南の島を訪れた……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
43
漫画。水木さんが復員してきてからの話。はじめのうちは、なかなか漫画が売れなかったのに、ある日突然売れるようになったのは、「金霊(かなだま)」が飛んで来たかららしい。貧乏でもあきらめるなというのが、メッセージ?2014/08/10
tomi
32
読み応えのある自伝漫画の下巻は戦後編。結婚しても続く貧乏生活。やっと認められ人気になれば、多忙な生活にへとへとになり、トペトロさんたちの住む南の島への憧れが募る。途中で空想シーンが短編のように挟まったり、前の巻に比べて冗長な感じも受けたが、アシスタントだったつげ義春や白土三平ら著名人も多く登場、エピソードも楽しい。70歳を超えても妖怪のフィールドワークに各国を飛び回り、時にはキノコでトリップしたりと好奇心とバイタリティーがすごい!2021/07/04
GELC
16
中巻に続いて下巻も一日で読破。面白すぎて止められない。この巻では働けど全く金が無い時代から、金は入るようになったけれど極度に忙しい状態に突入していく。「食べるものも無いよりはマシ」と自分に言い聞かせて仕事に打ち込むものの、水木先生をして「何のために生きているのか分からない」状態に。。。幸福研究会の設立や、何度も南方を訪れたことをみても、人生の幸福というテーマは難しく、分かってきたとしてもその実践はさらに難しいのだろう。全3巻を通じて、圧倒的なおもしろさと共に社会問題提起も孕む、稀有な作品だった。2023/09/12
ツキノ
4
発売当初に購入して読んだのだけれど、下巻のみ再読。旅の記録がおもしろい!関連本読みたくなった。うずうず。2010/08/14
有海2000
3
全巻一気読みなので感想も一括。時局や38師時代の話は既存原稿の再利用。既読なので語ること無し。紙芝居絵師から貸本作家、雑誌へと移っていく過程で出会う知人作家達の描かれ方が興味深い。他の作家たちが描く自伝漫画よりも人物評が直裁で本音が強く出ている。それにしてもこの人の歩哨中に襲われて全滅した分隊を思うと不憫すぎる…2016/03/15