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出版社内容情報
戦後北海道の大自然を舞台に紡がれる、二人の少女の物語。ただ超然とそこにある自然に、少女たちは何を見るのか――。
戦後すぐの北海道に越してきた少女・千鶴。ある理由から声を失った彼女は、その地で不思議な雰囲気を持つ静子と出会う。北海道の戦後開拓で、たくましく生き抜いた人々と、人間の力を超越し、ただ超然とある自然を舞台に繰り広げられる、二人の少女の物語――。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
傘緑
31
「空を渡る鳥の歌声に、野を駆ける犬の遠吠えに、種を運ぶ風の囁きに、わたしはあなたを知る。これはほんの一瞬のおはなし…いくつかの戦いが過ぎ去った。焼け跡のわらびを味わって、人はまた野を耕した。家を建てた。みんなほんの一瞬のできごと」声を失った少女と名前を失った少女と自然との邂逅を描いた作品。五十嵐大介や漆原友紀を好む方にオススメの漫画。線が柔らかく少女漫画チックだが、過酷でかつ調和に満ちた北海道の自然情景の描写、大地と風と木の詩に溶け込むようにひたれる。今作が二巻で打ち切りになったことに私は憤りを隠さない。2017/05/21
いっちゃんず
24
北海道の大自然を「聴き」「見る」ことができる2人の少女、千鶴と静子の物語。舞台が昭和20年代のためか、他のマンガと比べて話の進め方に独特のリズムがあるので、少々好みが分かれる作品かもしれない。しかし、大地と精霊の描写はすばらしいの一言。そして、シマフクロウが笑う(P84)。ミミズクが笑った『ハクメイとミコチ』(樫木祐人)と『エシカルンテ』は毛色がかなり違うが、人間の住む世界に近い異世界とその住人を描いているという点で共通しているため、似た描写が出てきたのかも。次巻6月下旬予定。読みますよ。2015/03/03
織田麻里
12
【BW】戦後間もない北海道で、以前より見えざる物が見えた少女が不思議な夢と声に導かれる。/いやぁ、美しい本です。見開き大ゴマも多用していますが、細密な描き込みに清らかな物や恐ろしげな物が紛れていて、引き込まれました。この先の展開も気になりますが、それよりも、ずっとこの世界に留まりたいと思いました。2015/01/31
つばぶぅ
10
第1話掲載時の紹介をTwitterで見てから、ずっと単行本を楽しみにしていました。なんと美しい。北海道、アイヌ、大好物です。草花や動物たち、北海道の大自然が本当に丁寧に描かれていて神秘的で、母に包まれるように描かれたページは圧巻でした。おどろおどろしい表現もより際立って魅入られてしまう。縦に割られたコマもすごく効果的。モノローグがおはなし調なのもいい。褒めてばっかり。不思議な物語になりそうで非常に楽しみです。2015/01/24
フニクラ
6
表紙の少女に誘われて購入。こんな漫画が出てたなんて。読んでいてなぜだか嫉妬してしまいました。このみずみずしさとわけのわからない懐かしさは何だろう。嫉妬した後に包みこまれたような感覚に襲われて泣きたくなった。あーここに帰りたくなる。そんな世界でした。2015/11/22
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