内容説明
いまも世界中で断続する民族紛争や宗教戦争。その中を生き抜く人々の真実の姿を捉え続けた渾身のフォト・ルポルタージュ。第27回講談社出版文化賞写真賞を受賞し、“平成の沢田教一”と目される気鋭写真家の6年間にわたる取材の集大成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
19
1997刊。テロの恐怖が喧伝され、さも明日にも都市部やイベントなどで起こりうる勢いだが、本書は戦住坐臥。銃火と瓦礫と骸が目に届く範囲にあふれた日常を生きる人々。戦争を知らない子供たちという呑気な歌が、かつて流行ったようだが、ここに撮られた子供たちは戦争しか知らない。現在、その子供たちは生き残り、国の再建に汗を流しているのか、また修羅の道を歩んでいるか。1997から数多く起こった、平和のための止むを得ずの戦争は、戦争のための経済発展として拡大し、そのスパイラルによって、地球規模の中世に戻っていくのか。2015/11/21