出版社内容情報
【内容紹介】
無事に地獄を抜け出たダンテは、師ヴィルギリウスと共に、ついに煉獄の山にたどりついた。ここからは先はけわしい山を昇りながら、自らの罪を浄める旅となる。翼ある鳥にはひとっ飛びの距離を、1歩1歩努力によって征服していく。そしてふと気がつくと、翼ある者だけが行ける、澄みきった頂上に立つことができるのだ。この長く苦しい道のりのはてに、真の幸福をもたらす天国が待っている。ダンテの旅は、そこまで続くのだ。14世紀が生んだ長編叙事詩で古典名作の最高傑作、ダンテ「神曲」堂々完結巻。
●ダンテ略歴
1265年イタリア、フィレンツェの金融業を営む没落貴族の家に生まれる。父はアリギェーロ・デイ・ベリンチョーネ、母の名はドンナ・ベッラ。先祖カッチャグイダは、第2回の十字軍遠征に参加し戦死した当地の英雄であった。幼い頃から古典文学を学ぶ。
1274年フィレンツェの名家の娘、ベアトリーチェをみそめる。
1277年母親ベッラ死去。
1283年ベアトリーチェと恋に落ちる。
1287年神学、哲学を深く学ぶと同時に、当時の「清新体詩派」の詩人たちと親交を深める。
1289年カンパルディーノの戦いに騎兵隊員として参戦。ピサの包囲にも参軍する。
1290年ベアトリーチェ死去、絶望的な打撃をうける。書斎に閉じこもり、哲学書やヴィルギリウスを始めとする詩本を読みふける日々が続く。
1293年ベアトリーチェに捧げる抒情詩「新生」を書き上げる。
1295年ジェンマ・ドナーティと結婚。政治に参加。
1296年財政問題審議機関の百人委員会の1人に選ばれる。この頃、白派と黒派の抗争が激化。
1300年6人の統領の1人に選ばれる。黒派の陰謀を阻止するため、フィレンツェ代表として法王に謁見すべくローマに向かうが、その間に黒派がクーデターを起こし、白派は追放される。
1302年欠席裁判によって、ダンテはフィレンツェ永久追放の判決をうけ、それを破った場合は死刑と宣告される。ダンテの流浪の日々が始まる。
1307年「神曲」の構想をまとめ、執筆にはいる。
1321年「神曲」を完成。ラヴェンナで死去。