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出版社内容情報
日照り続きで、給水制限中の街。酷暑にあてられて意識
を失った川村千波は、豊かな水にあふれる村で、少年と
老人に出会う夢を見る。祖母に夢の話を聞かせた千波は、
意外な言葉を聞く。「それ……ばあちゃんの昔の家じゃ
ないかねぇ」また行きたい──そう願った千波が目を覚
ましたのは、夢だと思っていたあの村。そして再会した
少年・スミオから、この村では雨が降り止まないことを
知らされる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
120
素晴らしかった!後半は涙が溢れて仕方なかった。長い長い年月、確かに存在した村の風景、人々の暮らし。人と村の生と死、中でも特に澄夫のことを思うとたまらなくなる。ダム建設が自然破壊をするとかそういうことじゃなく、普段当たり前のように使っている水に対しての考えが、すごく深まって。それだけでも読んだ価値があったと思う。ファンタジー要素を取り入れながら、うまく表現された数々のテーマだが、ダムによって沈んだ村が現実にあちこちにあるわけで、決して架空と言い切れない想いが残る。真夏に読むにはあまりにぴったりな作品だった。2013/07/23
眠る山猫屋
51
水は記憶するのか。 喪われた子供を、失われた時間を。 村を生きた女性たちの視点から語られたのは、人の世の移ろいゆく様、人の心の変わりゆく様。そしてなかなか変われなかったのは男や少年。ちょっと象徴的。女性は全てを受け入れる強さを持つ分、水のような存在なのかもなぁ…2011/11/21
Nyah
44
本棚整理で再読。/しみじみ良い話。本棚に隙間があれば残した。/スミオは少年時代に行方不明になっていた。千波の伯父にあたる。スミオが千波の前で龍神の祠に祈ったように村に人が帰ってきた。帰ってきた村人は同じ夢を見ていたようだ。そしてダムが干上がったニュースを見て、意識のなくなった千波を村から連れ戻すため、母と祖母はダムに向かう。そこで彼らは千波と一緒にいるスミオと祖父に夢で会う。そして、ニュースを見た母の友達がダムに来て、祖父の現在を教えてくれる。‥美しい景色、竜の伝説、夭逝した少年。2023/03/19
moon
40
ダムに沈んだ村が現れ、人々の意識も今はなき村に集う。人の心に残る記憶、記憶の水の中に生きる少年。人は出会いと別れ、偶然の再会、再びの別れが新たな絆を紡ぐ。再びダムの底に沈む村。水面を眺めながら、思いを馳せる。「…私は、ここから来た…」 静かに心が揺さ振られ、涙が伝う。ぜひ読んでみて下さい。2012/12/13
exsoy
29
仄暗い水底が、雨に煙った村が、思い出の中の彼が、光って見えた。2011/01/26
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