出版社内容情報
長春で敗戦を迎え、混乱の極みの中で、悲しみも恨みも心の底に沈め悠然と生きる。幾重にも含羞をまとった著者最後の傑作中篇小説。長春で敗戦を迎えた木川正介は、毎日五馬路に出掛ける。
知り合いの朝鮮人の配下となり、大道ボロ屋を開業して生きのびている。
飄々として掴みどころなく生きながら、強靱な怒りにささえられた庶民の反骨の心情は揺るがない。
深い悲しみも恨みもすべて日常の底に沈めて、さりげなく悠然と生きる。
想像を絶する圧倒的現実を形象化した木山文学の真骨頂。
著者最後の傑作中篇小説。
木山 捷平[キヤマ ショウヘイ]
内容説明
長春で敗戦後、木川正介は、毎日五馬路に出掛ける。知り合いの朝鮮人の配下となり、大道ボロ屋を開業して生きのびている。飄々として掴みどころなく、しかも強靱な怒りにささえられた庶民の反骨の心情は揺るがない。深い悲しみも恨みもすべて日常の底に沈めて、さりげなく悠然と生きる想像を絶する圧倒的現実。形象化した木山文学の真骨頂。著者最後の傑作中編小説。
著者等紹介
木山捷平[キヤマショウヘイ]
1904・3・26~1968・8・23。小説家。岡山県の生まれ。1929年、詩集『野』を自費出版。33年、太宰治等と「海豹」創刊、34年、「青い花」同人。39年、最初の作品集『抑制の日』を刊行。44年、満洲国農地開発公社嘱託として長春に赴き、45年8月、現地で応召。敗戦後長春で難民となる。この間の経緯は『大陸の細道』(芸術選奨)等に書かれる。96年、木山捷平文学賞創設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。