出版社内容情報
足立 紳[アダチ シン]
著・文・その他
内容説明
俺は自分が嫌いだ。ズルい自分を変えようと決めたそばから、イジメを見て見ぬふりするような弱虫だから。俺に本当の仲間はいるのか?誰が自分を信じてくれるだろう。ままならない家庭の事情やシビアな友人関係に翻弄されながら、生きる上で大切なものを手にしようともがく少年の、葛藤と前進を描いた感動作。
著者等紹介
足立紳[アダチシン]
1972年、鳥取県生まれ。日本映画学校(現・日本映画大学)卒業。2015年、『お盆の弟』『百円の恋』で第37回ヨコハマ映画祭脚本賞、『百円の恋』で第39回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第17回菊島隆三賞、2016、『佐知とマユ』で第4回市川森一脚本賞を受賞。同年『14の夜』で映画監督デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
101
あの足立さんがこんなほっこり青春モノが書けるなんて、意外や意外な作品でした。作中にも登場しますが、本作は言うなれば和製「スタンド・バイ・ミー」です。似たような作品が他の作者さんによっても多数書かれていると思いますが、コレはコレでありだと思います。とにかく個性派揃いの小学6年生、数人組による懐かしい雰囲気の青春が綴られています。特段、何か大きな出来事があるワケではなく、時代背景は今ながら、懐かしい雰囲気にさせてくれるありがたい作品です。こういう作品を是非とも、小中学生の夏休み課題図書にしてほしいですね。2023/06/27
そうたそ
31
★★★☆☆ まさに「男の子」である年頃を描いたストーリー。中学に入っちゃうともう「男の子」というよりも、「男子」になってしまうわけだから。全ての男性が懐かしくそして嘗ての楽しさに思いを馳せてしまうようなストーリー。環境でコロコロと友人関係もかわっちゃったりするんだけど、そこの関係が案外大人になってからも残り続けていたりするんだから不思議なものだ。もう勉強はしたくないけれど、この頃の別に何があるわけでもないが、ひたすら楽しかった毎日には戻りたいなあと思うことしきりだった。2018/03/20
ラムネ
7
子どもは毎日をのほほんと送っているように見える。 でも思い出してみれば、大人の今感じるのと同じように、 いや子どもの頃の方がひょっとしたらずっと、 傷ついたり悩んだり迷ったり、 勇気を振り絞って一歩を踏み出したりしていた。 むしろ大人の方がこれでいいんだと決めつけ、 そうした決断から目を背けている気がする。 子どもに負けていられない。 大人だって、葛藤しながらも前進したい!2018/01/02
みはー
7
子供は子供なりに悩んで戦って大きくなっているのですね。小学生の頃、似たような気持ちになりました。大好きな友達が別の子と仲良くしたらモヤモヤしたりヤキモチ妬いたり(笑)無理してその子の真似をしてみたり。個性がない子でした。本作品はそんな子の成長ストーリー。小学生でこんなに成長した主人公は偉いなぁ~。 最後はスカーッとして読後感は最高です!2017/11/02
シュナ
6
自分の小学生時代を思い出すと、なんてのほほんと過ごしていたのだろうって思うくらい、主人公達はドラマチックな生活をしてた(笑)自分が仲良くしてる子が転校生とかと仲良くなっちゃってモヤモヤしたり、転校生の子嫌いになっちゃったりってあるあるだね。小学生が主人公だから、真っ直ぐに"仲間"と言う単語が出てくるのが羨ましい。女子には出来ない男子ならではな感じが面白くて良かった。女子じゃこうはならないね。2018/06/11