出版社内容情報
二階堂 黎人[ニカイドウ レイト]
著・文・その他
内容説明
探偵活動を再開した二階堂蘭子の下に、洋蘭の栽培家・賀来慎児が脅迫されている、との相談が。彼の父・レオナは著名な西洋画家だったが、12年前に不審死をとげ、母も服毒自殺していた。慎児が住む「蘭の家」に乗り込む蘭子。そこに待っていたのは、レオナの3人の元愛人たちだった。トリック満載の傑作中編集!
著者等紹介
二階堂黎人[ニカイドウレイト]
1959年東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。’90年に第1回鮎川哲也賞で『吸血の家』が佳作入選、’92年『地獄の奇術師』を書き下ろし単行本として上梓し、推理界の注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hnzwd
36
二階堂蘭子シリーズの中編三作。重厚・濃厚な本格ミステリの王道を行くシリーズなので、中編でもその辺りはきっちり。どんでん返し的なものではない、ロジカルな解決や、所々に入る大仰なセリフはクイーンやホームズのオマージュ。本格や古典の入門にいいかも。2018/01/19
Yuki
35
久々の二階堂黎人作品。いかにも!な本格ミステリ中編3編。時代設定も内容もキャラの言動もクラシカル。たまにこういう真っ向な本格を読みたくなる。多重密室の「泥具根博士の悪夢」、過去に起こった館の中の毒死事件を追う「蘭の家の殺人」ときて「青い魔物」は青い肌の怪物の謎が御手洗チック。2018/08/20
ソラ
33
古きよき本格ミステリィって雰囲気。ラビリンスの一連の事件はあまり好きじゃなかったので普段の蘭子シリーズの感じに戻ってとても良かった。2017/09/01
マッちゃま
30
二階堂蘭子シリーズの中編3本が入った作品。探偵としての蘭子の立ち位置が初期とは違ってきているので、一応は刊行順に読まれる事をオススメします。まあ〜細かい部分を気にしない方なら、どうでも良い違いですが(笑)雪上の足跡も含む五重密室に挑む「泥具根博士の悪夢」自殺と下された両親の死の真相に隠れているカマキリは誰か?フーダニットが楽しめる「蘭の家の殺人」前作チックな色合いも見せつつもミステリなラスト「青い魔物」バラエティー豊かに蘭子の名推理が楽しめます。やっぱ、こういう蘭子が読みたかったと改めて思いました。2019/04/05
LUNE MER
21
メインの中編「蘭の家」は作中でも言及されているクイーンの「フォックス家の殺人」へのオマージュかと思われるが、本家の持つ心地好いゆったり感や名探偵エラリーの持つ人間味( 辿り着いた真相の取扱方含む)がいかに至高のものだったかを再認識させられた。国名シリーズからのライツヴィルものでガラリと作風が変わっているのになお名作をものしていたクイーンの才能がむしろ凄い。なんか目指した元ネタの古典的名作群の素晴らしさを再認識するための咬ませ犬の立ち位置になっている気がする、ここ数日の蘭子シリーズ…。2022/05/12