講談社文庫<br> 壁の鹿

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講談社文庫
壁の鹿

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  • サイズ 文庫判/ページ数 400p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062936453
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報



黒木 渚[クロキ ナギサ]
著・文・その他

内容説明

女子高の寄宿舎に暮らす少女タイラ。鬱陶しい同級生たちから逃れられる唯一の場所「書斎」にこもる彼女に、ある夜、“壁の鹿”から声が聞こえる。結婚詐欺師、恋に悩む女、剥製職人…彼らの「孤独」に交感する声とは。絶望と希望を鮮やかに描く、黒木渚の魂の叫び。衝撃の処女小説刊行。

著者等紹介

黒木渚[クロキナギサ]
宮崎県出身。大学時代に作詞作曲を始め、ライブ活動を開始。文学の研究にも没頭し、大学院まで進む。2012年、「あたしの心臓あげる」でデビュー。2014年、ソロ活動を開始。同年、1stアルバム「標本箱」をリリース。2017年、単行本『本性』を刊行し、作家としてもデビューした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

❁かな❁

142
アーティストであり作家でもある黒木 渚さん。ある日、壁に飾られてる鹿の剥製の声が聞こえる。6章にわかれ登場人物たちは鹿の剥製と話せるようになる。みんな悩んだり孤独だったり苦しんでいる中、鹿の剥製との出逢いで変化していく。あらすじだけでは良さは伝わらないと思うけど1章終わるごとになんかいいって思えてくる♪鹿の剥製には呼び名があり「宮島さん」「ハテナ」「春」が好き♡第6章で涙。山田詠美さんの解説もいい。設定も面白く処女作と思えないぐらい文章も読みやすく私も鹿の剥製に癒された。鹿の剥製と話したいな。 2019/10/20

ちょん

30
たまたま、たまたま知り合った知らない作者の本がめちゃくちゃタイプの面白すぎる話だと泣けるほど嬉しい。まさしくそんな出会いだったのこの本❗壁にかけた剥製がしゃべるんですよ。なんだそりゃ?と思うかもですが、何だか泣ける。人のやり取りって何てバカバカしいんでしょって切なくなる。連作短編で、冒頭の話には私のタイプな強い女の子か出てきます、中盤で狂気にかられた女の子が出てくるのですが、なんだかこの子も好きで目が離せない。うーん、鹿好きな私的には大好きな一冊。2019/10/04

Mayumi Hoshino

27
壁掛けの剥製の鹿。頭部だけのもので、金持ちの家の書斎にあるような。それと会話が出来るようになってしまった幾人かを描いた連作短編集。最初の二編はハートウォーミングな感じ。三章めで怪しい動きを見せ、五章でまさかの方向に舵がきられる。続く最終章はまた予想もできない着地。章ごとに分けたら違うジャンルになりそうなのに、こんなまとまり方を見せるなんて。面白かった。比喩表現もクールで美しい。2017/07/10

to boy

26
著者の黒木さんのことは全然知りませんでしたが、帯につられて購入。独特の感性で面白かった。剥製の鹿と話をする主人公達の短編かと思いきや、後半ではそれぞれが繋がってきてワクワクしてきました。「あぐり」と「夢路」が世俗的なおかしさと、神秘的な恐怖の対比で良いですね。少女タイラも後半の父親との葛藤を乗り越えて希望ある終わり方のようでした。2017/09/21

kinnov

25
喋る剥製という不可思議な設定とどこか懐かしい空気感の第一章から物語に引き込まれる。生きるのって難しいし面倒くさいけど、それぞれの方法と価値観で希望を見つけられるのではないかと優しい気持ちになったあたりで、突然に意外な展開へと転調していく。先程までの気持ちの延長線上だけに強烈だけれど理解や共感ができる心情と、そこまでの物語では異質な欲望が、剥製を軸に物語の核として融合していく。鑑に映るのは正だけではなく、邪もまた同じだと。そこを経て物語全体が投げかけるモノをちゃんと受け入れているか、私も剥製に聞いてみたい。2017/05/10

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