出版社内容情報
奥田 英朗[オクダ ヒデオ]
著・文・その他
内容説明
一九七九年、軽井沢。世界を熱狂させたポップスター・ジョンは、妻と愛する息子との静かな隠遁生活を楽しんでいた―はずだった。猛烈な便秘に襲われるまでは。不安を抱え小さな医院に通うジョンが遭遇した不思議なできごと、そして奇跡。人気作家の伝説のデビュー作に「二十年後のあとがき」を加えた新装版。
著者等紹介
奥田英朗[オクダヒデオ]
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て1997年『ウランバーナの森』(本書)でデビュー。第2作『最悪』がベストセラーとなる。続く『邪魔』が大藪春彦賞を受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
86
私はその時中学生でした。時代が時代だしジョンが主夫宣言をして活動休止したニュースは受け入れらなかった。アルバムも作らず、政治的な発言などもしなくなった。その空白の三年間を奥田さんがこんなに楽しく不思議なフィクションにしてくれた。ヨーコの別荘がある軽井沢でのお盆。過去の自分の行いへの後悔、とりわけ母親との苦い思い出が心と体のバランスを壊してしまい便秘に悩まされた挙げ句、あの名曲がスポーンと生まれたことにしてしまうなんて!ぶっ飛んでる。ファンはもしかすると怒ったかもしれない。日本での夏がジョンを変えたんだ。2017/09/19
毎日パン
75
前半までは読むのを中断するか迷いつつ読み進めましたが、後半からは胸が熱くなる内容でした。今丁度自分で深く悩んでいる事と本の内容がリンクして心に響くものがありました。奥田英朗さん、こういった話も書かれるのですね!2022/01/13
ふじさん
75
大好きな奥田英朗の作品ということで買ったが、今まで読む気がしなかった。12月8日のジョンレノンの命日をきっかけに読んでみた。最初は、面白さが分からず、途中で読むのを辞めた。結果的には、奥田英朗があとがきで書いてるように、「心に傷を持ったある中年男の再生の物語として読んでいただければ幸いです」の言葉の後押しで読み切れた。ジョンレノンのことは、ビートルズ世代としては詳しく知っていたが、日本での生活については、あまり知らなかったので面白く読めた。最後には心も癒された。 2020/12/17
yumimiy
67
デビュー作を新装版で読めたのはラッキー。但し、我にとっては身につまされる内容で動悸がバクバク、腸は高速蠕動でグルグルピー😓10代の傲慢さは若気の至りか。親切は迷惑、思いやりはお節介、托卵親には罵詈雑言。しかし、ツケは回ってくる因果応報のパニックディスオーダー!IBSのおまけ付。我は、アネモネ心療内科へ、そこには伊良部や注射💉を持ったマユミちゃんも居ない。呪術師Drと清楚なNsだけ。アネモネはウランバーナの森の中にある。ここには傷つけた人々が恨めしそうに漂っている。ウランバーナ→盂蘭盆会、ごめんなさい。2024/04/11
カブ
52
奥田英朗氏のデビュー作を新装版で読んだ。20年後のあとがきがよかった。舞台は1979年、お盆の軽井沢。世界のポッポスター・ジョンが森で出会ったのは?!ひと夏の不思議な体験。2017/08/23