出版社内容情報
今野 敏[コンノ ビン]
著・文・その他
内容説明
この中に「日本」が封印されている―。ゲーム「蓬莱」の発売中止を迫る不可解な恫喝。なぜ圧力がかかるのか、ゲームに何らかの秘密が隠されているのか!?混乱の中、製作スタッフが変死する。だが事件に関わる人々と安積警部補は謎と苦闘し続ける。今野敏警察小説の原型となった不朽の傑作、新装版。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道三笠市生まれ。上智大学在学中の1978年「怪物が街にやってくる」(現在、同名の朝日文庫に収録)で問題小説新人賞受賞。卒業後、レコード会社勤務を経て作家となる。2006年『隠蔽捜査』(新潮社)で吉川英治文学新人賞受賞。2008年『果断―隠蔽捜査2』(新潮社)で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞受賞。「空手道今野塾」を主宰し、空手、棒術を指導(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まこみん
83
今野敏さん22年前の作。スーパーファミコン全盛でPCゲームがまだ稀だった時代。(私はどちら共無縁だった)蓬莱というゲームの発売を巡って製作者が変死、社長渡瀬には嫌がらせと様々な圧力… 始皇帝に仕えた徐福の日本渡来説、日本という国が形を成していく様、その長い期間に培われた日本人の気質について、19冊もの参考文献を挙げているだけあって、作者の渾身作と実感出来る。面白かっただけでなく思わぬ古代史と日本人観の勉強にもなった感じ。あの安積警部補の話は未読なのでシリーズも読みたくなった。2016/12/08
めぐ
74
スーパーファミコンのゲームソフトと、日本の国が神から人間に移るくらい初期の話(徐福)と、ヤクザと政治家と、コンピューターのプログラマーの話。まったくもって、なんのこっちゃの設定で、なのに安積さんシリーズの刑事モノ。私にとってはプログラミングの話と徐福の話が理解しずらく、典型的ヤクザの場面は楽しめた。2021/07/15
くろにゃんこ
53
ゲームソフトの発売を中止するよう威され暴力をふるわれた渡瀬。そして開発した社員がホームから転落死さらに・・・と真相が気になりながらも歴史的内容等でちょっと難しい^^;これは読んでいるうちに「蓬莱」というゲームをやってみたくなりますね。今野さんの警察小説の原型となった作品。安積警部補にニンマリでした(*^_^*)2018/04/18
酔拳2
48
今野敏先生はほんといろんなことに詳しくて、今度はゲームの話という新しい感じなので楽しみに読んでたら、出たー!安積警部補!安積さんが出てくる長編初めて読んだわ。これも安曇班シリーズと言っていいのかな。内容はというと、力作です。ゲームが日本人のルーツ的なものなんだけどそーとー勉強してらっしゃるのでは。新人類シリーズではユダヤ同源説を披露してたけど、徐福説ってのもあんのね。様々な知識を織り交ぜつつ、ミステリーとしても完成された、ほんと力作です。2017/09/06
keiトモニ
47
関口苑生解説“徐福集団渡来伝説に仮託した日本人論…”だと。渡瀬社長が告白“恥ずかしい話だが俺はジョフクというのをよく知らない”☚私もだよ。日本史も世界史も受験で勉強したんだけどナ。辻鷹彦東大助教授に“徐福と神武天皇が同一人物という説があるそうですね”と訊くと“つまらん俗説だよ…源義経がやがてチンギスハーンになったのと変わらん”と。燕京大学衛挺生教授が1950年に発表した説とか。本郷征太郎の“日本人ほど戦争が嫌いな民族はいない…国民性です”↞国会前で安保法制反対と叫び、内地人の辺野古反対支援もそれなんだな。2018/08/16