出版社内容情報
65歳の男が、20年前に同僚だった女性のお見舞いをしたくて、1000キロの道を歩き始める。世界36ヵ国が涙したロードノベル!65歳の男が、20年前に同僚だった女性のお見舞いをしたくて、1000キロの道を歩き始める。世界36ヵ国が涙したロードノベル!
レイチェル・ジョイス[レイチェル ジョイス]
著・文・その他
亀井 よし子[カメイ ヨシコ]
翻訳
内容説明
年金生活を送る65歳のハロルドは、元同僚の女性から一通の手紙を受け取る。手紙には彼女が末期癌であることが書かれていた。20年間会っていない友人に「ありがとう」と伝えたくて、老人は一人1000キロの道のりを歩きはじめる。徐々に明かされてゆく家族の秘密、驚愕の真実。世界が泣いた感動の名作。
著者等紹介
ジョイス,レイチェル[ジョイス,レイチェル] [Joyce,Rachel]
テレビ、ラジオ、演劇などの分野で20年にわたり脚本家として活躍。『ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅』が初めての小説。2012年に刊行されるやいなやマン・ブッカー賞候補にノミネート。同年National Book Awardsにより「今年最も期待される新人作家」に選ばれ、以降世界36ヵ国で刊行される。イギリスのグロスターシャーに夫と4人の子供とともに暮らす
亀井よし子[カメイヨシコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
47
定年退職しすることが無いハロルドが受け取った1通の手紙。20年もまえに会社を辞めた同僚女性のクウィーニーからの「お別れの」手紙。ガンで余命いくばくもないクウィーニーに会うためイングランドの端から端まで歩いて行くハロルド。歩きながら思う事は妻と冷えた関係、息子との確執、自身の生い立ちなど様々な事。旅で出逢う人々との交情がハロルドを少しづつ変えて行く様が良い。そして明かされる…人生いろいろだなぁ。優しくしてくれた人には俺も手紙を書くよ。2018/04/14
Richard Thornburg
27
感想:★★★ 主人公は定年を迎えて退職した65歳のハロルド。 元同僚の女性から受け取った末期がんであることを知らせる手紙の返事を投函するためにポストへ・・・それがきっかけで何の段取りもせず1人で1000kmの道のりを歩いて「ありがとう」を伝えに行くという設定。 歩いていく途中でうまくいっていない家庭のこと、自分の生い立ちなど、前へ進むことで自分を振り返るという対位法的な手法は面白いと思いました。2018/01/12
湖都
19
65歳のハロルドが、突然昔の同僚から癌を患っているという手紙を受け取り、彼女・クゥイーニーのいるホスピスまで800kmの道のりを歩いていく物語。妻や息子との関係を始めとする人生の悩み、道中に出会った人達の会話、そんな物語かと思っていたが、TwitterやFacebookが出てきた辺りからちょっと汚いものも見えてきて、最終的にクゥイーニーの元にたどり着いた時のリアリティーが何とも言えなかった。歩いているだけで全てがうまくいくわけない。でも足を前に運ぶことが難しく、そして生きることそのものだと思った1冊。2020/01/14
本の蟲
16
映画に合わせて、文庫は『ハロルド・フライのまさかの旅たち』に改題されたロードノベル。癌を患ったかつての同僚へ、お見舞いとお礼の手紙をしたためたハロルド。ポストに投函するため家を出たが、ひょんな事から直接手紙を渡そうと決意する。着の身着のまま英国を縦断するハロルドは道中様々な人と出会い、語り、自身の人生を振り返っていく…。冷え切った夫婦関係。上手くいかない親子関係。誰しもどうしようもない後悔と挫折を抱えているが、それでも幸せな瞬間は確かにあった2024/11/08
マッピー
16
ハロルド・フライは最近会社を定年で辞め、妻モーリーンとは、一つ家に住みながら他人のように暮らしている。しかし昔の同僚の女性から手紙が来たことにより、ハロルドは1000キロ離れたホスピスまで歩くことになる。きっかけはクウィーニーからの手紙だが、ハロルドが見ているのはあくまでも自分の心のうちであり、家族であり、過去である。それに引き換え、クウィーニーはその心の内を何も語らない。この孤独で、真っ当で、心優しい女性は、何と都合のいい存在なのだろう。世間の評判とは反対に、私にはこの作品で心が震えることはなかった。2020/01/09