講談社文庫<br> ある殺人者の回想

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講談社文庫
ある殺人者の回想

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062933391
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

生きているかぎりずっと、あの人のことを想っていたかった。許されない二人がかわす年にただ一度の往復書簡。勝目梓の集大成!おれはなぜ二度も人を殺したのか。

獄中で寡黙な男が晒す胸の奥底の真実。
暴力と性の極みを書き続けた作家が描き切った裸の人間の心情とは。

寡黙な男の心の奥底の一途な想いが胸を刺す。

七十六歳で故あって二度目の殺人を犯し四年、いま獄中にある男は静かに語り始める。昭和初頭、炭鉱の島に生まれ坑夫となった緒方一義は隣人を殺し、一度目の獄につながれた。彼が手にかけた男の妻と交わし続けた手紙にこめた想いとは? 遠ざかりゆく昭和という時代と数奇で凄絶な人生が見事に描かれる。

勝目 梓[カツメ アズサ]
著・文・その他

内容説明

七十六歳で故あって二度目の殺人を犯し四年、いま獄中にある男は静かに語り始める。昭和初頭、炭鉱の島に生まれ坑夫となった緒方一義は隣人を殺し、一度目の獄につながれた。彼が手にかけた男の妻と交わし続けた手紙にこめた想いとは?遠ざかりゆく昭和という時代と数奇で凄絶な人生が見事に描かれる。

著者等紹介

勝目梓[カツメアズサ]
1932年東京生まれ。鹿児島県立伊集院高等学校中退。1964年に『文藝首都』の同人となり、66年に「玩具の花」を『新潮』に発表。67年には「マイ・カアニヴァル」で芥川賞候補、69年には「花を掲げて」が直木賞候補となる。74年「寝台の方舟」で小説現代新人賞を受賞し、その後は官能小説を執筆し、小説誌を中心に精力的に発表した。2006年に発表した『小説家』(講談社)は初の私小説として話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ももんが

23
★★★☆☆七十六歳で二度目の殺人を犯した、緒方一義。彼はなぜ二度も殺人を犯さなければならなかったのか•••八十歳になる彼がそれまでの人生を語る。重い•••私には重い作品でした。炭鉱場や炭坑夫、仕繰方、採炭方、掘進方。イメージがなかなか掴めませんでした。でも、読み進めていくうちに緒方一義の一途な想いや皮肉な運命に辛く苦しいなりました。もっと違う道があったのではないのか、なんで、なんで、とやるせない想いのまま読了です。2016/07/02

JKD

6
緒方一義という恐ろしく真面目でネガティブな殺人者の赤裸々な告白の中にドラマティックな要素がふんだんに盛り込まれているので飽きさせない。途中に出てくるベッタベタな長崎弁や時事ニュースもあり、不幸すぎる話だけど嫌味なく純粋に楽しめました。2016/04/10

myvi

0
妻にもらった。長崎の炭鉱街で育った男が、青春期と老年期に人を殺すのだが、きっかけとなったのはいずれも同じ人である。戦中戦後は治安も悪く簡単に人を殺す時代だったと事件史のようなものを読んでも感じるが、そういう世代にあって1回目と2回目の間はひっそり暮らす男は、本当に歯車が狂ったというかボタンのかけ違えというかで、なんとも切ない。ネットの評価は賛否両論あるようだが、個人的には朴訥とした語り口を含め面白いと感じた。2023/02/21

のん

0
他者を護りたいが為に犯してしまった殺人。哀しいほどに抑え続けた久子への愛。もっと器用に生きられなかったのか、本当に緒方は不器用で実直過ぎた。2022/02/24

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