出版社内容情報
ローン未払いを理由に家を差し押さえられたシングルマザーが殺人の容疑者に。被害者は銀行の上席副頭取。社会的事件に挑む人気弁護士ローン未払いを理由に家を差し押さえられたシングルマザーが殺人の容疑者に。被害者は銀行の上席副頭取。社会的事件に挑む人気弁護士
第一部 魔法の言葉（１?10）
第二部 無実の仮説（11?17）
第三部 ボレロ（18?26）
マイクル・コナリー［マイクル コナリー］
著・文・その他
古沢 嘉通［フルサワ ヨシミチ］
翻訳
内容説明
ローン未払いを理由に家を差し押さえられたシングルマザーが、大手銀行副社長撲殺の容疑で逮捕された。彼女は仲間を募って銀行の違法性に抗議するデモを繰り返す有名人。高級車リンカーンを事務所代わりに金を稼ぐ、ロスきっての人気弁護士ミッキー・ハラーは社会的注目を集める容疑者の弁護に乗り出す。
著者等紹介
コナリー，マイクル［コナリー，マイクル］ ［Ｃｏｎｎｅｌｌｙ，Ｍｉｃｈａｅｌ］
１９５６年、アメリカ・フィラデルフィア生まれ。フロリダ大学を卒業し、フロリダやフィラデルフィアの新聞社でジャーナリストとして働く。彼の手がけた記事が、ピュリッツァー賞の最終選考まで残り、ロサンジェルス・タイムズ紙に引き抜かれる
古沢嘉通［フルサワヨシミチ］
１９５８年、北海道生まれ。大阪外国語大学デンマーク語科卒業（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
145
これまでと違い、不当な差し押さえ案件を扱うことで虐げられ、不利な立場を強いられている弱者の味方となり、救世主的な存在となっていることがハラーの中で今まで刑事裁判を扱っていた時の疚しさを和らげていることが救いとなっている。それは娘のヘイリーから母親が犯罪者を刑務所に送る検事であるのに対し、弁護士が犯罪者の味方をする職業のように見られていたことから見直されるようになったことも多分に大きい。このヘイリーの想いはそのまま私の想いにも繋がる。ハラーの物語を読むといつもこう思うのだ。一体正義とは何なのだろうか、と。2019/09/10
ケイ
131
おそらくリーマンショック後なのだろう。住宅ローンを払い続けることができなくなった人たちの代理人としての弁護士業に励んでいた主人公は、顧客の一人が銀行の差し押さえ担当者殺人の容疑をかけられたことで、その弁護を引き受ける。ところが、この被告人＝弁護の依頼人が、全く軽蔑すべき浅はかで目先の利益に捕らわれる恥知らずな女性。それでも彼は弁護を続ける。彼は彼女の無実を信じているわけではない。裁判に勝訴しようと奔走する。そのあたりに違和感を覚えるのだが、先へと読ませる原動力でもある。面白い。2016/07/04
KAZOO
128
来月にコナリーの新訳が出版されるので、最新の日本語訳を読んどこうと思い手に取りました。リンカーン弁護士という名前があるためか、当初に比べて比較的スタッフを抱えたりしているのにまだ事務所が車の中です。話題はローンで自宅を差し押さえられるというところから、武力でかなりけがをしたりとありますが、後半はどうなるのかが気になります。かなりアメリカの司法制度というものがわかる気がします。2016/08/27
ケイ
120
二年前に読んだのを、最新作を読む前に復習。トリックは覚えていても、終始交わされるやり取りが面白い。ロス～ハリウッドが舞台となると、映画化の版権を狙うハゲタカが実際にたくさんいるんだろうな。コナリー自身も、自分の作品がいくつか映画化された過程で、そういう人たちに辟易させられる思いをしたことがあるのだろうなと、読んでいて思った。サブプライムローンにしても、コナリーの社会の不正への憤りは、書くエネルギーとなるようだ。2018/05/26
エピファネイア
90
前作は、ハラーとボッシュの競演だったが、本作はハラーが主役の王道のリーガルサスペンス。上巻で既に裁判が始まっている。まだ、半分終わったところだが下巻でも波乱が起こるのだろう。この本が本国で出版されたのが2011年。米国では住宅の資産価値が大幅に目減りし、融資額と評価額が逆転していた時代。そんな中、住宅の差し押さえを統括していた銀行の役員が殺害され、銀行への抗議活動の先頭に立っていた女性が容疑者として逮捕される。状況証拠しかないと思われていたが、公判直前になって物証が出てきてハラーを慌てさせる。いざ下巻へ。2022/08/07
