出版社内容情報
将軍家から朝廷に初めて嫁いだ徳川二代将軍の娘、和子。「稀なる福運の姫君」と称えられた慈愛の国母を描いた、感動の長編小説!将軍家から朝廷に初めて嫁いだ徳川二代将軍の娘、和子。「稀なる福運の姫君」と称えられた慈愛の国母を描いた、感動の長編小説!
宮尾 登美子[ミヤオ トミコ]
著・文・その他
内容説明
将軍家から朝廷に嫁いだ和子は、宮廷の女たちの巧妙な妨害により、帝と心を通わすことがなかなかできずにいた。周囲のはからいでようやく二人の仲が深まったのは、入内から二年四ヵ月後であった。和子はあまたの子をもうけ国母となるも、幸福は長続きしない…。愛と哀しみに翻弄された生涯を描く大作、感動の結末へ!
著者等紹介
宮尾登美子[ミヤオトミコ]
1926年高知市生まれ。高坂高等女学校卒業。’62年第5回女流新人賞を『連』で受賞。’73年『櫂』で第9回太宰治賞受賞、’79年『一絃の琴』により第80回直木賞受賞。主な作品に『寒椿』(第16回女流文学賞)『序の舞』(第17回吉川英治文学賞)など。2014年12月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chantal(シャンタール)
79
主人公は和子姫なので、ついついこちら側から物を見てしまい、御所の女たちの意地悪に憤りを覚えるが、実は幕府側もかなり酷いことをしていたわけで、結局のところ、女性は「子を産む道具」としか見られていなかったのだと言う事をまざまざと見せつけられる事となった。紆余曲折あったが、後水尾帝は85歳、東福門院は72歳と長寿で、夫婦仲も良かったようなので、あの時代を思えば幸せだったのでは?宮尾登美子さんは徳川幕府瓦解の時代を生きた天璋院、そして幕府創建の時代を生きた東福門院の生涯を描いた訳で、どちらもとても楽しめた。2022/06/29
まある
6
和子に仕えたゆきの目線であるので、どうしても身内贔屓になりがちで、とにかく和子さまお可哀想というところが強い。当時、結婚したら親元を離れ二度と会えないのは和子に限ったことではなく、朝廷ほどではなくても誰もがひとりきりで嫁ぎ先で過ごしていたのに、子供も授かり、徳川から経済面での後ろ盾があり寧ろ恵まれているとさえ感じる。和子が自分で切り拓くことはせず、ただ忍従というところも物語としては物足りない。それでも宮尾登美子さんの文章のため最後まで飽きさせることは無かった。2016/04/07
rinrinkimkim
2
恐ろしや!生まれてくる赤ちゃんを次から次へと…言葉にするのもおぞましき!禁裏の奥の物語は湿度が高くて暗くて。源氏もだが時代が江戸になっても何ひとつ変わっていない、宮廷。ヤリたい放題。我が国において最も古く且つ頻繁に行われるお家芸は「隠す」ですね。ミカドの周囲からシモジモまで、都合の悪いことは「隠す」これをお家芸と言わないならばDNAか?隠されて紅絹を濡らす和子。涙の分湿度が上がります。和子の心情ではなく「ゆき」の語りでじっとりですからね。和子主人公にしたら絞れる湿度になろうかと・・2019/11/12
一彩
1
手先の器用な女(ひと)だったんだな2025/03/15
JFK
1
大奥と同じで、女性の世界は恐ろしい。 頑張ったね、和子はん。2018/11/28