講談社文庫<br> 残夢―大逆事件を生き抜いた坂本清馬の生涯

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講談社文庫
残夢―大逆事件を生き抜いた坂本清馬の生涯

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  • サイズ 文庫判/ページ数 395p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062931410
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0195

出版社内容情報

幸徳秋水らが処刑された大逆事件から生き延び、戦後に再審請求を闘った坂本清馬の生涯を通して今に続くこの国の闇を浮き彫りにする。百余年前、明治天皇の暗殺を企てたとして、幸徳秋水ら12人が刑場の露と消えた「大逆事件」。事件をでっちあげて、時代の風潮を変える“国策捜査”はこのとき始まった。事件に連座し無期懲役となるも、23年間の獄中生活に耐え、75歳で再審請求の訴をおこし、89年を生き抜いた坂本清馬の凄絶な生涯を描く!

鎌田 慧[カマタ サトシ]
著・文・その他

内容説明

百余年前、明治天皇の暗殺を企てたとして、幸徳秋水ら12人が刑場の露と消えた「大逆事件」。事件をでっちあげて、時代の風潮を変える“国策捜査”はこのとき始まった。事件に連座し無期懲役となるも、23年間の獄中生活に耐え、75歳で再審請求の訴をおこし、89年を生き抜いた坂本清馬の凄絶な生涯を描く!

目次

我、唱和せず
首魁と書生
恩命特赦
封印列車
死刑執行
不浄門
邂逅
革命修行
熊本時代
赤旗事件
多情多恨
放浪
恋と革命
逮捕
韓国処分
秋田監獄
獄中闘争
いごっそう
南国土佐
転向
家庭生活
再審請求まで
市民運動
廬山は烟雨
再審ならず
遺言

著者等紹介

鎌田慧[カマタサトシ]
1938年、青森県弘前市生まれ。ルポライター。トヨタの季節工として働いた経験をルポした『自動車絶望工場』(’73)で注目を浴びる。’90年、『反骨 鈴木東民の生涯』で新田次郎文学賞、’91年、『六ヶ所村の記録』で毎日出版文化賞を受賞するなど著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

浅香山三郎

21
大逆事件についての本はいくつか読んでゐた筈が、坂本清馬といふ名前にほとんど記憶がなかつたのだから、忘れる力が付いてきたのは怖い。幸徳秋水に初め師事しながら、様々な経緯で訣別し、秋水に対し愛憎相半ばする感情をもちながら、戦後も大逆事件の再審に取り組んだ。獄中でも筋を通す熱量が、戦後も強烈な個性を放つ。彼の個性によつて、大逆事件が忘れ去られずに、国家の犯罪被害が白日のもとに曝され、しかしながら、未だに清算されない不条理を私たちも思ひ知らされてゐる。2020/01/10

Ikuto Nagura

4
坂本清馬のことは、堺や大杉の評伝にチラッと出てきた名前しか知らなかった。なぜ今、大逆事件とこの人物を書いたのか考えながら読んだが、最後で鎌田が丁寧に答えてくれる。絶対に繰り返しちゃいけない歴史があるわけだから、国家権力の横暴さと、彼らが求めた自由の意味を学ばねば。幸徳秋水に「貴様が革命をやるかおれがやるか、競争するぞ。こんな所におれはいられない」、松室致検事総長に「こんな国に生きている価値を認めるわけにはいかない。私を殺すようにしたのは、あなただから、私を死刑に復せ」と放つ、坂本の直情径行さが小気味よい。2016/02/03

どら猫さとっち

3
幸徳秋水らが、明治天皇暗殺を企てたとして、処刑された「大逆事件」。そのなかで、ひとり無実を訴え生き続けた男がいた。彼の名は、坂本清馬。23年もの獄中生活に耐え、75歳で再審請求をおこした、不屈の生涯。生きて無実を訴え続けるのは、並々ならぬ苦難と忍耐を要した。しかし彼の「いごっそう」魂が、大きな支えになった。坂本清馬は、戦前によく似た現在にも、生きる指針を、よりよい社会の在り方を教えてくれる。2016/02/23

駄目男

2
坂本清馬という人の名は諸々の本で一度ならず読んだことがあったのだろうが、はっきり記憶に留めていなかった。それ以上に大逆事件で有罪になった24名中12名が処刑され終身刑に減刑された12名のその後については全く知らなかったが、この坂本清馬が最後まで生き残って再審請求の訴をおこした人物として本書は取り上げている。今少し詳しく言えば終身刑12名のうち獄中自殺が2名、獄死が3名、そして仮出獄を迎えたのが7名。坂本清馬の場合は獄中生活、実に23年。 75歳で再審請求、89歳で没、実に凄絶の人生でやりきれない。2015/10/12

tecchan

0
110年も前、大逆事件をでっち上げられ死刑判決を受けながら特赦で無期懲役に減刑、長年の収監後釈放され、戦後まで生きながらえ、半世紀後、再審請求するまで闘った「坂本清馬」氏の壮絶な生涯を描く。明治の大逆事件は、典型的な国策捜査、今なら考えられないと思いがちであるが、昨今の政治状況を見ると、そうした風潮に向かいつつあるのではないかと危惧する。2022/12/26

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