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講談社文庫
真夏の航海

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  • サイズ 文庫判/ページ数 204p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062930512
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

N.Y.セレブ界の異端児・グレディを翻弄する、雷光のような恋の行方。訳者・安西水丸が惚れ込んだ、カポーティ幻の傑作!かくも危うく、みずみずしい。安西水丸が熱烈に惚れ込み、自ら翻訳した若きカポーティ、まぼろしの傑作。まだ女ではなく、もう少女でもない。上流階級の娘グレディが、心をかき乱された初めての恋。華々しい’40年代のN.Y.社交界と、その陰りの中に生きる人々のコントラストをくっきり描く長編を初文庫化!

トルーマン・カポーティ[トルーマン カポーティ]
著・文・その他

安西 水丸[アンザイ ミズマル]
翻訳

内容説明

パーティなんて嫌い!欲しいのは危険な恋。私の居場所はどこにあるの―。N.Y.セレブ界の異端児・グレディを翻弄する、雷光のようなアバンチュールの行方。訳者・安西水丸が惚れ込んだカポーティ幻の処女作。華々しい’40年代のNY社交界と、その陰りの中に生きる人々のコントラストをくっきり描く長編を初文庫化!

著者等紹介

カポーティ,トルーマン[カポーティ,トルーマン] [Capote,Truman]
作家。1924年、ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ。17歳で「ニューヨーカー」誌のスタッフになり、’46「ミリアム」でO・ヘンリー賞を受賞、’48年には長編小説『遠い声遠い部屋』を刊行し、“早熟の天才―恐るべき子供”と注目を浴びる。晩年はアルコール中毒と薬物依存に苦しみ、’84年波乱に満ちた生涯を閉じる

安西水丸[アンザイミズマル]
イラストレーター。1942年、東京都生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業。電通、平凡社などを経て独立。朝日広告賞、毎日広告賞など受賞多数。2014年3月19日、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

130
カボーティの死後に発見された作品。10代後半に書かれたそうで、その圧倒的な才能に心を打たれた。10代の時にこれほどのものが書ければ、『遠い声、遠い部屋』のような作品を作り上げるのは、それほど難しくなかっただろう。原文のせいか翻訳のせいかよく分からないのだが、やや読みにくい箇所があるのは残念だ。それでも詩的なきらめきに満ちた素晴らしい作品。大人になりつつ少女グレディのひと夏の経験が瑞々しい筆致で描かれる。生と死の間を綱渡りするように生きるグレディは、カボーティの分身のような気がした。2018/03/05

優希

86
危うくも美しい物語でした。女でも少女でもない時間と恋。思春期の心の機微をほろ苦く、甘酸っぱい感覚そのままに描き出しています。夏の空気が肌を刺してくるようでした。ありふれたラブコメですが、その繊細さは儚くて壊れそうな輝きを感じます。古き良きニューヨークの雰囲気もリアルでした。映像化したら綺麗だと思います。2015/10/28

やきいも

85
カポーティーが10代後半に書いた作品。ニューヨークを舞台に繊細なティーンエイジャーの恋が描かれてます。読む人によって好き嫌いが分かれるタイプの本のような気がします。2015/08/27

吉田あや

62
若きカポーティが放つ瑞々しい感受性の暴走。思春期に例えようもなく混沌としていた心の内を、苦々しさと甘酸っぱさで充満させながらくるくると変わる思考そのままに描き出される世界。彼が眠りからそっと目を開ける瞬間までの恋する幸せな眼差しの優しさと相対するように一気に張りつめ爆音から無音へと反転する世界。内なる破壊衝動に自らの幸せすらもどうしようもなく打ち砕いてしまうグレディを何度も抱きしめたくなった。自分の幼さを消化しきれない叫びとも祈りとも聞こえる痛みが鮮烈だった。2015/06/23

えりか

58
ニューヨークの熱気、煙草の煙、マティーニの香り、危うく情熱的な恋、夏の輝き。散りばめられている詩的な表現はとにかく美しく、鳥肌が立って恐ろしいくらいだ。ため息がでる。若さゆえの危うさは、身を滅ぼしかねない。むしろ滅んでもいいと思うほどの恋に捕まってしまった夏。向こう見ずで思いのままに行動し、閉じ込めてはいられない奔放さと無垢で傷つきやすい少女の不安定さが、これでもかと突き刺してくる。ラストがなんだか曖昧で未完のようだが、この終わり方はこれはこれで夏の夜の熱気の中に消え行くようでよかったと思う。2016/08/12

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