講談社学術文庫<br> 興亡の世界史 大英帝国という経験

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講談社学術文庫
興亡の世界史 大英帝国という経験

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  • サイズ 文庫判/ページ数 432p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062924696
  • NDC分類 233.06
  • Cコード C0122

出版社内容情報

「アメリカ植民地の喪失」が大帝国への第一歩だった。移民と奴隷貿易、ヴィクトリア朝を彩る娯楽、観光、博覧会。解体と再編の歴史。講談社創業100周年記企画「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評、第3期の4冊目。
アイルランド、インド、オーストラリア、カナダ、南アフリカ、中東、香港……世界中いたる所にその足跡を残した大英帝国。この拡大は、紅茶や石鹸などの生活革命を世界的に広める一方で、時には深刻な問題の種を植民地に蒔く結果ともなり、その影響は現代にまで及んでいます。大英帝国を知ることは「今を知る」ことに他なりません。スコットランド独立やEU離脱をめぐる議論の際にも垣間見える、現代イギリスの国民性は、輝かしいヴィクトリア女王の時代に象徴される「大英帝国」という経験と不可分の関係にあります。
 これまでイギリス史のうえで「例外的なエピソード」として捉えられてきた「アメリカの独立」についても、著者は、むしろこの「アメリカ喪失」という経験こそが、のちに未曾有の発展を遂げる大英帝国の基礎になった、と述べています。保護貿易から自由貿易へ、奴隷貿易の支配者から博愛主義の旗手へ――変容を遂げた帝国の内実を、交易されるモノ、ミュージック・ホールなど都市の娯楽、世界を旅する女性たちの人生など、さまざまな観点から描き出します。
 また、21世紀に入り、「奴隷貿易の支配者」であった過去をどのように捉えるか、イギリス国民の間で議論が沸騰しています。欧米諸国に先んじて奴隷制度を廃止したこの国では、どのような人びとの努力で、奴隷廃止に至ったのでしょうか。ブリストルが誇る慈善家、エドワード・コルストンの銅像に書きつけられた、ある落書きの衝撃とは?
[原本:『興亡の世界史16 大英帝国という経験』講談社 2007年刊]

はじめに
第一章 アメリカ喪失
  ローマ帝国の衰亡とアメリカ喪失 
  「イギリス人」だったアメリカ人 
  アメリカ喪失の教訓 
第二章 連合王国と帝国再編
  問い直される愛国心 
  スコットランド帝国という幻想 
  ジェラルド・オハラの青春 
第三章 移民たちの帝国
  アメリカ喪失と移民活動の再開
  「帝国の時代」のカナダ移民 
第四章 奴隷を解放する帝国
  奴隷貿易の記憶│共犯者としての帝国 
  奴隷貿易廃止運動の諸相 
  よみがえる奴隷貿易の記憶 
第五章 モノの帝国
  紅茶の国民化――女性、家庭、そして帝国
  巨大睡蓮と万博
  モノたちを見せる帝国
第六章 女王陛下の大英帝国
  女王・帝国・君主制
  女王陛下の要請によりて
第七章 帝国は楽し
  大英博物館はミステリーの宝庫
  ゴードン将軍を救出せよ│観光と帝国
  ミュージック・ホールで歌えば帝国も楽し!
第八章 女たちの大英帝国
  女たちの居場所
  帝国に旅立つ女たち
第九章 準備された衰退
  女たちの南アフリカ戦争
  子どもたちの堕落をくい止めよ!
  日英同盟の顛末
第一〇章 帝国の遺産
  イラクに迷う大英帝国
  帝国の逆襲?
おわりに なぜ今われわれは「帝国」を語りたがるのか
学術文庫版へのあとがき


井野瀬 久美惠[イノセ クミエ]
著・文・その他

内容説明

大陸の片隅の島国は、「アメリカ植民地の喪失」をステップに大帝国へと発展し、女王ヴィクトリアが君臨する最盛期を迎えた。博物館と万国博覧会、紅茶、石鹸、ミュージック・ホール。あらゆる文化と娯楽を手に入れ、女性たちが世界を旅し、いちはやく奴隷を解放した「博愛の帝国」。現在のイギリスに「世界帝国だった過去」は何を残しているのだろうか。

目次

第1章 アメリカ喪失
第2章 連合王国と帝国再編
第3章 移民たちの帝国
第4章 奴隷を解放する帝国
第5章 モノの帝国
第6章 女王陛下の大英帝国
第7章 帝国は楽し
第8章 女たちの大英帝国
第9章 準備された衰退
第10章 帝国の遺産

著者等紹介

井野瀬久美惠[イノセクミエ]
1958年愛知県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。甲南大学文学部教授。専門はイギリス近現代史、大英帝国史。日本学術会議副会長はじめ、文部科学省科学技術・学術審議会、兵庫県長期ビジョン審議会、朝日放送番組審議会などの委員を歴任。主な著書に『植民地経験のゆくえ』(第19回女性史青山なを賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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風に吹かれて

19
 現在の世界の姿に深く大英帝国が影響していることを改めて確認。植民地アメリカ独立後、産業革命による都市拡大の影響を受けた都市周辺の農民を中心に世界各地へ移民が進み、また、国内の女性の数が男性より相当多くなったこともあり家庭教師などで女性の移民が進み、言語の英語化も進み、一方、オスマン帝国崩壊後の三方位外交により現在も混迷する中東の原因を作った。  そして、様々の分野で活躍する女性たち。個々の人たちの活動により奴隷貿易大国や世界の工場から脱却していく姿も四百ページ足らずの本の中で垣間見せてくれる。➡2020/05/21

masabi

15
【概要】大英帝国の経験が本国と植民地にいかなる影響を与えたのかを解説する。【感想】帝国の政治史ではなく人に焦点を当て文化を扱う。フランスとの対立がイギリス人のアイデンティティを育むとともに、現代のイギリスの非白人との差異が白人でないイギリス人のアイデンティティを鍛える契機と成り得るだろうか。政治史、帝国史だけでなく経済史も当たってみたい。2019/08/14

かんがく

12
大英帝国を軸に、アジアからアメリカに至る地球全体の動きと、帝国以後の現在における取り組みまでを扱う空間的・時間的にかなり射程の広い一冊。女性、他人種などの差別の問題と、観光などの娯楽への言及が多く、歴史総合の授業に活用できそうな内容だった。2023/07/02

ふぁきべ

9
興亡の世界史シリーズの中では違った色彩を帯びている。大英帝国の形成とそれが他国への興亡という文脈でどのような影響を他国へ与えたのか、というような内容を想像していたが、実際には人に焦点の当たった内容でとても興味深かった。奴隷解放や移民、女性、被支配者、階級間の問題に深く鋭く切り込んでいてよかった。現代ではイギリスと移民というとイギリスへ入ってくる移民の話になるが、当時のイギリスは新世界へ送り出す側だったことを忘れてはいけない。そして西インドや南アジアからの移民が大量に流入することになるのはのちの話である。2019/04/19

ワッキー提督

3
やはり「イギリス帝国史」が一番好きな分野であると再確認させられた一冊。本書が提示した複数の切り口は、今まで触れたことのないものだったので、非常に刺激的だった。2022/06/04

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