出版社内容情報
求道的文学者・倉田百三が、法然「一枚起請文」の奥義、親鸞「歎異抄」の全てを語りきった。読む者の胸を打つ、情熱的名著の新装刊!「信仰というものは、生きるために必要な、日々に欠くことの出来ない、実際に役立つものでなくてはならぬ。心の平和のためにも、また身体をいわゆる肉弾となして、実生活にぶっ突かって行く時にもなくてはならない最後の『拠りどころ』でなくてはならぬ」と考える著者が、法然と親鸞の信仰について、情熱をかたむけて説いた名著。法然「一枚起請文」の奥義、歎異抄の全てを語りきった!
倉田 百三[クラタ ヒャクゾウ]
著・文・その他
内容説明
信仰というものは、生きるために必要な、日々に欠くことの出来ない、実際に役立つものでなくてはならぬ。心の平和のためにも、また身体をいわゆる肉弾となして、実生活にぶっ突かって行く時にもなくてはならない最後の「拠りどころ」でなくてはならぬ―倉田百三が、生涯をかけて探究した親鸞と、その師・法然の信仰を語り説く、情熱あふれる名著。
目次
上篇―一枚起請文を中心として(内容一般;法然の生涯(その時代的背景)
一枚起請文講評)
下篇―歎異鈔を中心として(内容一般;親鸞聖人の生涯;歎異鈔講評)
著者等紹介
倉田百三[クラタヒャクゾウ]
1891年広島県生まれ。旧制第一高等学校を病気のため中退。大正期の人道主義的文学を代表する。1943年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ホシ
20
浄土宗の教書『一枚起請文』と浄土真宗の教書『歎異抄』を語り解きながら、法然・親鸞の思想に迫った倉田百三の名著です。以前『出家とその弟子』を読んだ時、多分に基督教の影響を感じ、それ以来、倉田の信仰に疑義を持っていました。しかし、本書を読むと倉田が浄土教の思想を正確に捉えていることが知れます。私なんかでは考えも及ぼない思索的探求の末に書かれたのが『出家とその弟子』なのでしょうね。改めて宗教とは個人の問題であると強く思いました。法然・親鸞はもちろん、宗教や信仰といった事に関心がある方におすすめしたい一冊です。2018/07/29
moonanddai
7
人が悪を行うのは「業報」(私の理解としては)「仕方ない」。千人殺せと言われても殺せるものではなく、その気がなくとも百人、千人殺してしまう。そんな人間でも救ってくれる阿弥陀の「不思議」…。やはり浄土宗を考えようとすれば、法然だけではなく、親鸞までも知らなければならないようです。読みながら思ったこと、法然は「大原問答」をどう乗り切ったのだろうと…。寺門や南都による宗教裁判と言われてるが、詳細は不明…。法然自身「根気勝ち」と言ったそうだが、後々批判が出たことを考えると、この時は完全対立は避けたということか…。2022/02/27