講談社学術文庫<br> 犬と鬼―知られざる日本の肖像

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講談社学術文庫
犬と鬼―知られざる日本の肖像

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  • サイズ 文庫判/ページ数 448p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062924054
  • NDC分類 302.1
  • Cコード C0195

出版社内容情報

国土開発、官僚制、国家経済、教育制度……。日本を心から愛する著者が、明治維新に淵源する深刻な文化危機をひとつずつ洗い出す。美しい自然、練磨された芸術と文化遺産、高度な技術国、優秀な教育制度……。世界をリードするような新しい文明を築こうとした日本は、なぜか1990年代に失速しました。
バブル崩壊はその引き金でしかありませんでした。明治維新、敗戦を超え、「近代化」を推進してきた日本は、本質的に「近代化」で失敗したのです。
「有能な官僚制度」に誘導された土建国家は、伝統日本を破壊し、ついには金融界までも崩してしまいました。日本の魂が傷つけられたのです。この国が抱える問題は、慢性的・長期的なもので、まさに日本人は「ゆでガエル」状態になっていることを、日本をこよなく愛する著者が怒りと悲しみを込めて警告します。
日本の景観破壊をいち早く告発し、現在のインバウンド旅行者についても発言を続ける著者の渾身の書です。
タイトルの「犬と鬼」は、『韓非子』のエピソードに拠っています。皇帝が宮廷画家に「描きやすいもの、描きにくいものは何か」と問うと、画家は「犬は描きにくく、鬼は描きやすい」と答えます。身近で控えめな犬のようなもの(伝統的な日本の景観)は、正確に捉えるのが難しいが、派手な想像の産物(不要で奇抜なモニュメント)にお金を出すことは易しいということを暗示しています。

プロローグ
第一章  国土??土建国家
第二章  治山・治水??災害列島
第三章  環境??ステロイド漬けの開発
第四章  バブル??よき日々の追憶
第五章  情報??現実の異なる見方
第六章  官僚制??特別扱い
第七章  モニュメント??大根空港
第八章  古都??京都と観光業
第九章  新しい都市??電線と屋上看板
第十章  鬼??モニュメントの哲学
第十一章 「マンガ」と「巨大」??モニュメントの美学
第十二章 総決算の日??借金
第十三章 国の冨??お金の法則
第十四章 教育??規則に従う
第十五章 教育のつけ??生け花と映画
第十六章 国際化??亡命者と在日外国人
第十七章 革命は可能か??ゆでガエル
結論
あとがき


アレックス・カー[アレックス カー]
著・文・その他

内容説明

美しい自然、練磨された芸術と文化遺産、高度な技術、優れた教育制度…。一九九〇年代、世界をリードする新文明の構築を目前に日本が失速したのはなぜか?明治維新、敗戦を超え、「近代化」を推進してきた日本は、バブル崩壊を引き金に、本質的に失敗した。経済、環境、人口、教育等の分野で、慢性的で長期的な問題を抱えるこの国への警告の書。

目次

国土―土建国家
治山・治水―災害列島
環境―ステロイド漬けの開発
バブル―よき日々の追憶
情報―現実の異なる見方
官僚制―特別扱い
モニュメント―大根空港
古都―京都と観光業
新しい都市―電線と屋上看板
鬼―モニュメントの哲学
「マンガ」と「巨大」―モニュメントの美学
総決算の日―借金
国の富―お金の法則
教育―規則に従う
教育のつけ―生け花と映画
国際化―亡命者と在日外国人
革命は可能か―ゆでガエル

著者等紹介

カー,アレックス[カー,アレックス] [Kerr,Alex Arthur]
1952年米国メリーランド生まれ。1964~1966年、父の仕事の関係で横浜の米軍基地に住む。エール大学日本学部卒業。日本学を専攻、学士号(最優秀)取得。1972~73年、慶應義塾大学国際センターでロータリー国際奨学生として日本語研修。1974~77年、英国オックスフォード大学ベイリオル・カレッジでローズ奨学生として中国学を専攻。学士号、修士号を取得。日本の魅力を広く知らしめる活動を展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sin

66
もうお腹一杯だ!最近テレビで頻りに日本を持ち上げるが、内実は「ここもだめだわ、ニッポン」。官僚はその是非に関係なく万歳三唱やったもん勝ち、民衆はやり遂げることに価値を見出だす国民性が仇となり立ち止まることを知らない。現在形で山や川はコンクリートで覆い尽くされていく!なぜなら自然は敵だからだ!しかし本音は天下りの利権だ!都合の良いことに自然は牙を剥いてくれる。噛む犬は殺してしまうのだ!国交省の歌として記載された1節「山も谷間もアスファルト…素敵なユートピア」日本中が巨大なピラミッドで埋め尽くされる日は近い。2018/12/31

kuririn

8
ときには猛威を振るう美しい自然とうまく共生してきた日本人、というステレオタイプな見方を壊してくれる本。著者は外国人だが、日本文化や政治、環境問題などに精通しており、何よりこの国に深い関心を持っている人物である。本書では、鬼(派手で表面だけのもの)ばかり追い求めて、犬(根本的なもの)に目を向けない日本を鋭く批判する。映画やアニメなど映像文化への言及はやや主観的で首肯しかねるが、環境や建築に関する批判には気付かされることも多い。自然災害や人口密度という「大義名分」が場合によっては方便に過ぎないと知る。2021/11/13

広瀬研究会

7
昨今の日本を称賛する風潮に慣れた頭には、かなり刺激的な内容だった。日本がいかにお粗末なことをしている国かってことが皮肉たっぷりに描かれていて、3分の1くらい読んだ時点で僕のライフはゼロになった。でもそれらは単なる悪口ではなく、日本の良いところをきちんと活かせば、もっと皆が快適に過ごせるはずなのにってことを言ってる(と思いたい)ので、謙虚に教えを請いたい気分でいっぱいだ。2019/02/10

さとうしん

5
環境や文化の保護に対する意識が低い、政府機関が発表する統計数値は嘘ばかり、国家が国民や外国向けに情報を操作し、政策への批判を妨げる、外国人が当該国を魅力的に見せるのが任務だと思っている……今の中国のことではない。原著が出版された2002年当時の日本に対する批判である。今となってはその批判の多くが中国にもあてはまる所を見ると、日本は東アジアの中では特に酷くもないかわりに、特に優れているわけでもないのだろう。著者は日本学とともに中国学も専攻していたとのことなので、今度は日中比較論を期待したい。2017/03/02

てくてく

4
ところどころ読むのがつらくなりながらも、著者の叱咤激励が面白くて最後まで読んだ。途中までは諸外国のレベルに到達しようと頑張っているにもかかわらず、ある段階から改革・改善をやめてしまって時代遅れのままの社会、もっていた自然を否定してコンクリートで覆ってしまうことの是非、ハコモノ行政、金融問題などで誰も責任を負わないおかしさなど、わかっているはずのことを再確認させられた。2017/07/06

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