講談社学術文庫*再発見日本の哲学<br> 再発見日本の哲学 佐藤一斎―克己の思想

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講談社学術文庫*再発見日本の哲学
再発見日本の哲学 佐藤一斎―克己の思想

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923972
  • NDC分類 121.55
  • Cコード C0110

出版社内容情報

『言志四録』の思想とはなにか? 西郷隆盛の思想とは? 立志・学・克己といった近代日本を支えた思索を、哲学として跡づけた力作!佐藤一斎は、幕末に生きた儒学者である。幕府直轄の学問所、昌平黌の儒官として活躍した。それだけでは、幕末の官製の思想家ということになってしまうだろう。
しかし、彼の思想には、日本の近代化、明治維新の原動力となるエネルギーがそなわっていた。西郷隆盛が、彼の主著『言志四録』を抜萃して、つねに手元においたことからも、それはうかがい知ることができる。
佐藤一斎の思想を探究することは、また、西郷隆盛の思想を知ることでもあるのだ。

『言志四録』は、現代においても、根強い人気を誇る。ここから、企業人としての処世を学ぶ経営者も多い。

そのような人気をよぶ元となった、彼に思想の本質とは何か? 本書は、西郷隆盛の思想をも含め、そこに焦点を当てた、ほとんど唯一といっていい一般書である。

一斎は、儒学者でありながら、同時に、幕末に生きた一人の武士として、自己の独立を説いた。
  士は独立自信を貴ぶ。
  士はまさに己に在る者をたのむべし。
志・学・独立というものを、純粋に追求したその思想は、近代日本の通奏低音として、今に響いている。

一斎の言葉を、たんなる処世術としてではなく、日本の哲学として、繊細に、かつ怜悧に読み解いた、記念碑的力作。

序論 真の自己とは何か
第一章 立志と学
第二章 学の理論――天、仮己、真己
第三章 学を実践する場面――なぜ静坐するのか
第四章 心の霊光への道のり――欲を慎み、口を慎む
第五章 心の霊光への道のり――行から心へ
第六章 独立する自己
第七章 死を畏れざる理――運命論と死生観
補章  西郷南洲と佐藤一斎


栗原 剛[クリハラ ゴウ]
著・文・その他

内容説明

昌平黌の儒官として、江戸幕府の文教の中枢を担った佐藤一斎が、四十二歳で書き始め八十三歳まで書き継いだ主著『言志四録』。その思想を細部まで詳細に読み解くことで見えてくるものとは?かの西郷隆盛がこの著作に心酔したのはなぜか?幕末にありながら、立志・自己の独立を語り、近代日本の思想的基盤を用意した思考の真髄を描き尽くす!

目次

序論―真の自己とは何か
第1章 立志と学
第2章 学の理論―天、仮己、真己
第3章 学を実践する場面―なぜ静坐するのか
第4章 心の霊光への道のり(一)―欲を慎み、口を慎む
第5章 心の霊光への道のり(二)―行から心へ
第6章 独立する自己
第7章 死を畏れざる理―運命論と死生観
補章 西郷南洲と佐藤一斎

著者等紹介

栗原剛[クリハラゴウ]
1975年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士号(文学)取得。専攻は、倫理学、日本倫理思想史。現在、山口大学人文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ロビン

13
『言志四録』を読んだ際よく分からなかった「敬」という言葉の意味をもっと正しく知りたくなり一読。「敬」の定義は一応分かったので良かった。ただ本書は佐藤一斎の思想を全体的に概説する類のものではなく、「志」や「天と己」等の部分を特に掘り下げて哲学的に探究した内容になっており、あまり初心者向けではないと思った。本書だけ読むと佐藤一斎理解が非常に限定的になると思うので、『言志四録』をしっかり読んでから本書を読んだ方がよいだろう。また補章として「西郷隆盛における伊藤一斎思想の受容」をテーマにした論考が付されている。2019/05/02

へんかんへん

5
言葉がいいな 修身大切 志有るの士は利刃の如し この学は吾人一生の負担なり 敬天愛人 己でなく人を愛せよキリスト教の影響 2016/12/29

1
省察して天と己の間の乖離を正して、軀殻としての仮己を脱して真己として生きることが天理。心の霊光を見出し、軀殻の自由を得、天にあずかる真の己として生きることこそが学の目標である。一斎が重視した静坐とは「事を処するの本なり」というように現実の出来事に対処するものであった。また、雑念客慮、貨色名利いつまたん表出した上で、それらを払拭するという点で座禅とは異なる。男女、飲食、言語は恥・悔を折り目に慎まれるべきであり、「已むべからざるの勢」に達して後に発露すれば花となる。 2019/07/09

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