出版社内容情報
折口が神道の宗教化を訴えたのはなぜか?「スサノヲ」にこだわった理由は?豊饒な思索を丁寧に読み解き、思想の本質を明らかにする!折口信夫=歌人・釈迢空は、独自の民俗学を展開した学者として知られます。
独特の概念を駆使した魅力的な文体で、多くの読者を魅了し続けてきました。
では、国学者であり、歌人であり、小説『死者の書』の作者でもある折口の思想とはどのようなものだったのか。本書は、近代日本の哲学として、折口を読み直し、その思想を解析する試みです。
有名な、外部からやってきて幸福をもたらす「まれびと」とは、一体何か?それは、折口の思想の全体の中で、どのように位置づけられるのか?
日本の根源に迫り、日本の「神」を追求したその豊饒な思索を、明解に読み解く力作。
序章 折口の情念――「いきどほり」と「さびしさ」
第一章 国学者折口信夫
新しい国学/「神の道徳」と「人の道徳」/折口と平田 篤胤/古代の理想――愛欲・狡智・残虐
第二章 『古代研究』における神
常世神/神と精霊/天皇霊/ほかひびと/天つ罪
第三章 戦後の折口学
神道宗教化に向けて――ムスビの神/既存者/贖罪者としてのスサノヲ/内なるエートスとしての浄土真宗/『死者の書』
第四章 罪、恋、そして死
罪――母・折口こうをめぐって/恋――恋人・藤無染をめぐって/死――愛弟子・藤井春洋をめぐって/「未完成の霊魂」のゆくえ
木村 純二[キムラ ジュンジ]
著・文・その他
内容説明
常世国から時を定めて訪れる「まれびと」としての神は、ひとびとに富や長寿といった幸福をもたらすためにやってくる。有名な、来訪する神の議論の本質とは何か。そして、スサノヲの「贖罪観念」、あるいは小説『死者の書』など、多様に、豊饒に展開する折口の思考を、一貫した見通しの中に位置づけ、その思想の核心を、明解に浮き彫りにする快著!
目次
序章 折口の情念―「いきどほり」と「さびしさ」
第1章 国学者折口信夫(新しい国学;「神の道徳」と「人の道徳」 ほか)
第2章 『古代研究』における神(常世神;神と精霊 ほか)
第3章 戦後の折口学(神道宗教化に向けて―ムスビの神;既存者 ほか)
第4章 罪、恋、そして死(罪―母・折口こうをめぐって;恋―恋人・藤無染をめぐって ほか)
著者等紹介
木村純二[キムラジュンジ]
1970年、愛知県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、弘前大学人文社会科学部教授。専攻は、倫理学、日本倫理思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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無重力蜜柑
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gibbelin
hixxxxki