講談社学術文庫*再発見日本の哲学<br> 再発見 日本の哲学 折口信夫―いきどほる心

電子版価格
¥1,155
  • 電子版あり
  • ポイントキャンペーン

講談社学術文庫*再発見日本の哲学
再発見 日本の哲学 折口信夫―いきどほる心

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 331p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923965
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0110

出版社内容情報

折口が神道の宗教化を訴えたのはなぜか?「スサノヲ」にこだわった理由は?豊饒な思索を丁寧に読み解き、思想の本質を明らかにする!折口信夫=歌人・釈迢空は、独自の民俗学を展開した学者として知られます。
独特の概念を駆使した魅力的な文体で、多くの読者を魅了し続けてきました。
では、国学者であり、歌人であり、小説『死者の書』の作者でもある折口の思想とはどのようなものだったのか。本書は、近代日本の哲学として、折口を読み直し、その思想を解析する試みです。

有名な、外部からやってきて幸福をもたらす「まれびと」とは、一体何か?それは、折口の思想の全体の中で、どのように位置づけられるのか?

日本の根源に迫り、日本の「神」を追求したその豊饒な思索を、明解に読み解く力作。

序章 折口の情念――「いきどほり」と「さびしさ」
第一章 国学者折口信夫
  新しい国学/「神の道徳」と「人の道徳」/折口と平田 篤胤/古代の理想――愛欲・狡智・残虐
第二章 『古代研究』における神
  常世神/神と精霊/天皇霊/ほかひびと/天つ罪
第三章 戦後の折口学
 神道宗教化に向けて――ムスビの神/既存者/贖罪者としてのスサノヲ/内なるエートスとしての浄土真宗/『死者の書』
第四章 罪、恋、そして死
  罪――母・折口こうをめぐって/恋――恋人・藤無染をめぐって/死――愛弟子・藤井春洋をめぐって/「未完成の霊魂」のゆくえ


木村 純二[キムラ ジュンジ]
著・文・その他

内容説明

常世国から時を定めて訪れる「まれびと」としての神は、ひとびとに富や長寿といった幸福をもたらすためにやってくる。有名な、来訪する神の議論の本質とは何か。そして、スサノヲの「贖罪観念」、あるいは小説『死者の書』など、多様に、豊饒に展開する折口の思考を、一貫した見通しの中に位置づけ、その思想の核心を、明解に浮き彫りにする快著!

目次

序章 折口の情念―「いきどほり」と「さびしさ」
第1章 国学者折口信夫(新しい国学;「神の道徳」と「人の道徳」 ほか)
第2章 『古代研究』における神(常世神;神と精霊 ほか)
第3章 戦後の折口学(神道宗教化に向けて―ムスビの神;既存者 ほか)
第4章 罪、恋、そして死(罪―母・折口こうをめぐって;恋―恋人・藤無染をめぐって ほか)

著者等紹介

木村純二[キムラジュンジ]
1970年、愛知県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、弘前大学人文社会科学部教授。専攻は、倫理学、日本倫理思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

8
「篤胤において、神の怒りは穢れを排除しひとびとに幸をもたらす…折口の捉える神の「怒り」は、ひたすらすべてを破壊し尽くすものであり、人間にとっては、あくまでも非合理的な「神慮」なのであった」「国家神道が宗教ではなく道徳として規定されていることに対しては、柳田・折口・河野の三者とも異を唱えていた…河野は、そうした国家神道的な道徳をそのまま宗教として固定しようとし、柳田は、それとは異なる民間信仰を樹立しようとしている。折口は、その間にあって、国家神道とは異なる「宗教」を己れの心のよさとして実現しようとしている」2018/06/15

無重力蜜柑

7
日本思想を(西洋哲学との対比や相互作用ではなく)「内側」から読むシリーズ。我々が現在慣れ親しんでいる舶来物の思想とは全く異なる独特の論理や倫理が炸裂する愉快なシリーズだが、独特すぎて理解が追いつかないことも多々ある。本書もまさにそういう本の一つ。これは平田篤胤の巻でも思ったが、神道家は二言目には「神」や「霊魂」や「冥界」を持ち出すので、ゴリゴリに近代人な自分としてどういうテンションで接すれば良いのか分からない。実家が仏門で神道に縁がないのもあり、どうにも真面目に受け取りかねる印象が強い。2025/04/29

へんかんへん

5
降り口云々名前をおくられるエピソードがあった 面白い人だったんだなぁと 2016/12/29

gibbelin

2
折口学と、先生の暗い情念の関係を再発見。「折口語彙」というのも使ってみたいことば。2016/11/13

hixxxxki

0
上野誠、林浩平の入門書とともに読んだ。どの本もそれぞれの良さがあったが、この本が一番内容が濃く、読み応えがあったように思う。2019/09/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11230271
  • ご注意事項

最近チェックした商品