出版社内容情報
平安中期の女流日記文学。物語にあこがれた少女時代、母や姉との死別、宮仕え、家庭生活を経て、仏への帰依を願う境地にいたる回想記平安中期の日記文学。菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)作。1060年(康平3)ごろ成立。作者13歳、父の任地上総国から帰京する旅の記録にはじまり、51歳で夫の橘俊通と死別するまでの半生を自伝的に回想した記。冒頭には、『源氏物語』とその世界への少女のあこがれを記す。乳母や姉との死別、宮仕え、家庭生活をへて、夫の急逝にあい、仏への帰依を願う境地にいたる、胸中の遍歴が描かれる。
まえがき
凡 例
一 東国にて物語ゆかしさまさる
二 門出よりいかだまで
三 昔のあと・くろとの浜
四 まつさと
五 たけしば
六 すみだ河・もろこしが原
七 足柄山
八 横走・富士山・清見が関など
九 富士河
一〇 遠江を行く
一一 三河より尾張へ
一二 美濃より近江へ
一三 入京
一四 めでたき草子を得て
一五 継母去る
一六 乳母・侍従大納言女の死
一七 源氏の五十余巻
一八 京のわが家
一九 一品の宮・土忌
二〇 猫
二一 長恨歌の物語
二二 荻の葉
二三 火の事
二四 姉の死
二五 姉の乳母
二六 司 召
二七 東山
二八 朝倉
二九 あらましごと・父の任官
三〇 父の出立
三一 太秦参籠
三二 軒近き荻・こしのびの森
三三 清水参籠
三四 初瀬の夢告
三五 天照御神
三六 修学院の尼へ
三七 父上京、西山に住む
三八 宮仕へ
三九 前世の夢
四〇 宮の御仏名
四一 宮仕へを退き家庭に入る
四二 その後は
四三 宮仕へ中の交友
四四 春秋のさだめ
四五 石山詣で
四六 初瀬へ(一)
四七 初瀬へ(二)
四八 初瀬へ(三)
四九 初瀬へ(四)
五〇 帰途
五一 鞍馬・石山
五二 また初瀬に
五三 順境にある頃
五四 越前の友
五五 山奥の花・太秦ごもり
五六 二人の友と
五七 筑前の友
五八 高浜・住吉の浦
五九 大津で暴風雨にあふ
六〇 夫の任官
六一 夫の死
六二 阿弥陀仏来迎の夢
六三 をばすて
勘注・奥書
系図
地図
年表
解説
関根 慶子[セキネ ヨシコ]
翻訳
内容説明
学問の家に生まれた父・菅原孝標と『蜻蛉日記』作者の妹にあたる母との女の手になる、平安中期の女流日記文学。物語への憧憬を育まれる少女時代。十三歳で父の任国上総から帰京。乳母や姉との死別。宮仕えや家庭生活で不如意な現実を生き、仏への信仰に傾倒、夫の急逝までの半生を回想する。晩年の諦観に至るまでの胸中の遍歴が鋭い感性で描かれる。
目次
東国にて物語ゆかしさまさる
門出よりいかだまで
昔のあと・くろとの浜
まつさと
たけしば
すみだ河・もろこしが原
足柄山
横走・富士山・清見が関など
富士河
遠江を行く〔ほか〕
著者等紹介
関根慶子[セキネヨシコ]
1909年東京生まれ。1939年東京文理科大学文学部卒業。国文学(平安時代)専攻。お茶の水女子大学名誉教授。文学博士。1998年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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