出版社内容情報
デフレとインフレ、戦争と平和。130年の激動の歴史のなかで、31代29人がいかに決断し、日本経済の舵を取ってきたかをたどる。 日本銀行総裁。「通貨の番人」としてその役目の重要性は誰しも知るところです。しかも「異次元の金融緩和」状態に突入している現在、日銀と日本経済はどこへゆくのかと日本国民のみならず世界中が注視しています。
危機の時代、人は歴史に学ぼうとします。明治15年(1882)の創設から130有余年、日銀がどのような金融政策を打ち出してきたか、それがいかなる結果をもたらしたかを知ることはきわめて有効なやりかたです。その最良の導きこそ本書です。
本書『歴代日本銀行総裁論』は、わが国を代表する歴史派エコノミストであった著者が、歴代の日銀総裁という「ひと」を通じて、日本の金融政策発展の様相を生きた姿で描き出そうとしたものです。なお、この学術文庫版では原著刊行後(著者没後)の総裁の政策については、鈴木淑夫氏(元日本銀行理事、元野村総合研究所理事長)による補論を加えました。
31代29人の総裁がなにをどう考え、行動にうつしてきたか(あるいは行動しなかったか)を知ることで、読者は必ずやたしかな指針を得ることでありましょう。
第一章 吉原重俊論
第二章 富田鐵之助論
第三章 川田小一郎論
第四章 岩崎彌之助論
第五章 山本達雄論
第六章 松尾臣善論
第七章 高橋是清論
第八章 三島彌太郎論
第九章 井上準之助論
第十章 市来乙彦論
第十一章 土方久徴論
第十二章 深井英五論
第十三章 池田成彬論
第十四章 結城豊太郎論
第十五章 渋沢敬三論
第十六章 新木栄吉論
第十七章 一万田尚登論
第十八章 山際正道論
第十九章 宇佐美洵論
第二十章 佐々木直論
第二十一章 森永貞一郎論
補 論 佐々木直から黒田東彦まで(鈴木淑夫)
吉野 俊彦[ヨシノ トシヒコ]
著・文・その他
内容説明
明治十五年(一八八二)、近代的幣制を確立すべく創設された日本銀行。その歴史は波瀾に満ちている。昭和の恐慌と戦争、復興から高度成長、ニクソン・ショックと石油危機、バブル、平成のデフレ…。「通貨価値の安定」のため、歴代総裁はいかに困難に立ち向かったのか。三十一代二十九人の栄光と挫折を通して描く日本経済の鏡像。
目次
吉原重俊論
富田鐵之助論
川田小一郎論
岩崎彌之助論
山本達雄論
松尾臣善論
高橋是清論
三島彌太郎論
井上準之助論
市来乙彦論〔ほか〕
著者等紹介
吉野俊彦[ヨシノトシヒコ]
1915年千葉県生まれ。東京帝国大学法学部卒業。日本銀行入行後、長く調査局に勤め、1970年理事。日銀退任後、山一証券経済研究所理事長、会長、特別顧問。経済学博士。安定成長論を説き、高度成長論者の下村治との論争は有名。また森鴎外、永井荷風の研究でも知られる。2005年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ともたか
O. M.
熱東風(あちこち)
okadaisuk8