講談社学術文庫<br> マッハとニーチェ―世紀転換期思想史

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講談社学術文庫
マッハとニーチェ―世紀転換期思想史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062922661
  • NDC分類 134.7
  • Cコード C0110

出版社内容情報

十九世紀最後の三〇年は二十世紀思想の源泉となった。中でもマッハとニーチェに注目することによって世紀転換期の特徴が見えてくる。マッハは、オーストリアの物理学者、科学史家、哲学者である。超音速の速度の単位もマッハにちなんでいる。二十世紀思想である現象学も、ゲシュタルト心理学も、アインシュタインの相対性理論も、ウィーン学団の論理実証主義も、ウィトゲンシュタインの後期思想も、ケルゼンの実証法学も、どれもこれもマッハの影響下に生まれた。ニーチェの最後期の思想「遠近法的展望」もマッハの「現象」の世界とほとんど重なり合う。物理学者と古典文献学者、まったく交流のなかった二人の思想家が、同時期に同じような世界像を描き、それが、十九世紀から二十世紀への思想の中心を流れる世界像を形作った。世紀転換期思想の中身を解読する。

・実証主義
・現象学的物理学の構想
・感性的要素一元論
・ゲシュタルト理論の成立
・マッハと現象学の系譜
・レーニンとロシア・マッハ主義者たち
・ウィトゲンシュタイン
・ニーチェ<力への意志>の哲学
・ホーフマンスタールとフッサール
・ムージルとマッハ/ニーチェ


木田 元[キダ ゲン]
著・文・その他

内容説明

二十世紀思想の源泉はどこにあるのか。十九世紀に眼を向け、物理学者マッハと古典文献学者ニーチェを二つの焦点とした時、その影響圏はこれまで見たことのない景色として立ち現れる。力学的自然観の否定、形而上学の批判という立場への共振として生まれた現象学、ゲシュタルト理論、相対性理論、論理実証主義など二十世紀思想への深い影響とは?

目次

序論―マッハとニーチェ
力学的自然観とは―ヘルムホルツの到達点
実証主義の風潮―もう一つの予備的考察
エルンスト・マッハの生涯―風車と流れるもの
現象学的物理学の構想―マッハの思想1
感性的要素一元論―マッハの思想2
ゲシュタルト理論の成立
マッハと現象学の系譜
アインシュタインとフリードリッヒ・アードラーの交友
レーニンとロシア・マッハ主義者たち
ウィトゲンシュタイン/ウィーン学団/ケルゼン
“力への意志”―ニーチェの哲学
ホーフマンスタールとフッサール
ムージルに現れるマッハ/ニーチェ体験
マッハに感応するヴァレリーとムージル
二十世紀思想の展開

著者等紹介

木田元[キダゲン]
1928年生まれ。哲学者。東北大学文学部哲学科卒業。中央大学名誉教授。2014年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

シッダ@涅槃

15
木田元最終講義でエルンスト・マッハを知り手に取る。物理学では音速を越えた物体の撮影に成功したひと。この方が主にフッサールで有名な「現象学」に絶大な影響を与えたらしく手に取る。「現象学」、長年なんのことやらよく分からないでいた……。あと、フッサールは謹厳すぎる印象もあり(同じ理由でヘーゲルもよく知らない)遠ざかっていたのだ。言ってしまえば現象学とは現象の背後の実体(神、形而上学、因果律などなど)を否定する、という立場のようである。心惹かれるものがある。◆ニーチェの「力」と「生」の差異なども面白かった。2023/12/11

プラス3

10
「マッハ?、あのマッハと、ニーチェ?。何で!?」と気になったので読んでみた。哲学に関しては、新書やら入門書やらを何冊か読んで、素人に毛が生えた程度の人間だが、非常に楽しく読めた。マッハに関する記述が多めなのが良かったのかな。このマッハの思想もなかなか興味を引くものだったり。2016/04/27

Gokkey

8
感覚こそが在るものであり、この感覚が自我を形つくる。モノもこの感覚の投影として在るものに過ぎないので自我とそれ以外という区分は無意味になる。この19世紀の物理学者エルンスト・マッハの「感性的一元論」と形而上学的な背後世界を想定するプラトニズムに立ち向かうニーチェの思想との関連性に焦点が当てられる。これがフッサールやハイデガー、カッシーラー、そしてウィトゲンシュタインの思想展開の礎になっていく様を論じてゆく。現代の「アフォーダンス」にも通ずるマッハの考え方について哲学史という文脈の中で学ばせていただいた。2020/01/10

Famicon04

8
巻末の年表を見て驚いた。物理学のマッハ、アインシュタイン、ロシア革命のレーニン、ウィトゲンシュタイン、ニーチェ、カッシーラーとかアドラーとか同時代の19世紀末の多種多様な人物を一覧にしてみると、全て局所的に集中的に出現したのがわかる。思想的にも有機的なつながりが凄く、学問の垣根を越えた関連性を普通では見えなかった視点で、マッハを中心軸に本書では書かれている。ツヴァイクの言う「昨日の世界」とは、これほど凄い時代だったとは。2016/10/24

無重力蜜柑

6
19世紀末の哲学、科学、文学を含んだ広範な思想空間の結び付きをマッハとニーチェの二人を軸にする整理する本。といってもニーチェはマッハとの共通点についての指摘が主であり、マッハを使った思想史と言った方が近い。これはマッハについて知りたかった自分には都合が良かった。時は19世紀末、アインシュタインの相対性理論とプランクの量子論が物理学に大変革をもたらす直前、つまり最盛期にあった古典物理学はその〈要素還元主義〉と〈客観的世界の存在の想定〉という方法論でもって他の科学分野の基礎付け足らんとしていた。2021/10/17

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