出版社内容情報
井波 律子[イナミ リツコ]
翻訳
内容説明
二世紀末、後漢王朝が崩壊する。群雄割拠の時代、魏、蜀、呉は「三国時代」に突入。千年の時を経て、膨大な「三国志」物語群、資料を整理・編纂。さらに、史実と虚構を巧緻に交錯させ成立した、驚異の物語世界『三国志演義』。本巻は、諸葛亮「出師の表」奏上、魏攻略戦と諸葛亮の死、そして蜀、魏、呉が滅亡、天下は晋に統一される。一大巨編の最終巻。
著者等紹介
井波律子[イナミリツコ]
1944年富山県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター名誉教授。2007年『トリックスター群像―中国古典小説の世界』で第10回桑原武夫学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
48
遂に魏・呉・蜀が統一し、三国時代も幕を閉じます。驚異の物語が繰り広げられましたね。2022/02/13
鴨の入れ首
4
【年間500冊読破】諸葛亮の南征(225年)から呉の滅亡(280年)まで。本巻最大にして最後の見せ場は「五丈原の戦い」(諸葛亮の死)ではないでしょうか。諸葛亮没後の物語は長大なコーダ(終結部分)といって良いでしょう。長かった乱世も西晋の司馬炎によって統一されますが、これほどの大作を翻訳してまとめた訳者の力量には驚かされました。今後も繰り返し読みたいと思います。2025/01/27
荒野の狼
3
三国志演義の第4巻。カバー写真は葛飾北斎画の諸葛亮(MAK-Austrian Museum of Applied Arts/Contemporary Art.Photograph)。全120回のうち91-120回を収録。本書は西暦225年から280年の55年間だが、諸葛亮の死が234年で第104回(p329)なので、本巻の約半分にあたる部分は、10年弱の出来事に割かれ、残りの部分は、駆け足で、三国時代の終焉までを描く。2015/02/03
たぬ
3
★5 P80「王朗は(諸葛亮からの手紙を)聞きおわると、怒気が胸につまり、ギャッと一声叫ぶや、馬から転落して死んだ。P444「司馬昭が急いでたずねようとしたとき、司馬師はギャッと叫び声をあげたかと思うと、目玉が飛び出て息絶えた。」P642「いっせいにドッと宮中に押し入ると、岑昏を膾切りにして、その肉を食らった。」3、4巻ではまた、晩年の劉備や趙雲が暗に「年上は無条件で敬え」というか、頑固な老害っぽくなっていってたのも印象的。2017/12/25
Pustota
3
年表で見ると諸葛亮が死んでからが意外に長く、終盤は密度の低さを感じる。物語としては諸葛亮がヒーローであり、しかし史実で敗けが決まっているわけで、その中でいかに花を持たせるかというのが読んでいて面白かった。2018/03/15