出版社内容情報
宗教学、人類学、動物学、鉱物学、数学、物理学……。広範な知見を統合し、「類推」と「想像」の力で世界に潜む構造を抉り出す試み。
本書は、サブタイトルにある「対角線の科学」について、フランスの碩学カイヨワが論じたものです。対角線の科学とは、「既得の知識をいろいろな形で横方向に切断することによって、時として危険なまでに細分化してしまっている様々な探究分野の区分を補修する」という目的をもっています。
たとえば、蝶の翅、岩石の文様、絵画、神話になんらかの共通する構造を探り出そうとします。人間界と自然界の両方の現象の背後に潜む法則・原理を取り出しうるという方にカイヨワは賭けるのです。神話学、宗教学、社会学、人類学、動物学、鉱物学、数学、物理学などの広範な知見を統合し、「類推の極致」ともいうべき想像力の洞察に、正しさを求める営みとしての哲学を試みます。
序
第一部
1 ラマルクの誤謬
2 循環的時間、直線的時間
第二部
I 現前している想像の世界
1 火による浄化
2 美術館の神々
3 月からの石
II 変化発展しつつある想像の世界
4 『フェードル』と神話学
5 空想科学小説
6 地獄の変容
7 記号の世界としてのシュルレアリスム
結論にかえて
詩への接近--アラン・ボスケへの手紙
原注・訳注
訳者あとがき
【著者紹介】
ロジェ・カイヨワ(Roger Caillois)
1913-1978年。フランスの哲学者・批評家・哲学者。高等師範学校、高等研究実習院で、ジョルジュ・デュメジル、アレクサンドル・コジェーヴ、マルセル・モースに学ぶ。著書に、『遊びと人間』『戦争論』『夢の現象学』など多数。
内容説明
「宇宙は解き難く錯綜している…しかしそれは解きほぐされうるものだということに賭けねばならない。さもなければ、思考というものはいかなる意味ももたない…」。蝶の翅、岩石の文様、絵画、神話…。深奥においてすべての現象を統べる原理があるのではないか?フランスの戦闘的な知の巨人が提唱した「対角線の科学」の方法と可能性を読む。
目次
第1部(ラマルクの誤謬;循環的時間、直線的時間;付録 自然における幻想的なものに関する逆説的観念)
第2部(現前している想像の世界;変化発展しつつある想像の世界)
結論にかえて 詩への接近―アラン・ボスケへの手紙
著者等紹介
カイヨワ,ロジェ[カイヨワ,ロジェ] [Caillois,Roger]
1913‐1978年。フランスの哲学者・批評家
中原好文[ナカハラヨシフミ]
1935‐2007年。早稲田大学、同大学院博士課程修了。パリ大学に学ぶ。杉野女子大学学長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひばりん
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dilettante_k
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