講談社学術文庫<br> 往生要集を読む

個数:

講談社学術文庫
往生要集を読む

  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2025年06月01日 12時31分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921978
  • NDC分類 188.63
  • Cコード C0115

出版社内容情報

日本人の地獄観・極楽観はどのように生まれたか。インド仏教原典と源信の思想を比較検証し日本浄土教の根源と特質に迫る碩学の試み。「地獄」と「極楽」を対立するものとする概念は、インド思想や一般仏教にはなく、日本独自のものである。日本人の宗教観の基層ともいえるのその考え方が日本に定着するのには、平安時代中期の僧・源信が著した『往生要集』の影響をぬきに語ることはできない。。
膨大な仏教経典や経文、論書を博捜して極楽往生に関する重要な文章を集成し念仏を勧める『往生要集』が示す浄土思想は、源流のインドの浄土教からどのように発展し、また歪曲されていったのか。
斯界の碩学が、インド仏教の原典と『往生要集』に綴られた源信の思想を徹底的に比較検討、独自の視点から日本浄土教の根源と特質に迫った、日本仏教を考えるうえで必読の一冊。

第一章 厭離穢土
第二章 欣求浄土
第三章 極楽の証拠
第四章 正修念仏
第五章 助念の方法
第六章 別時念仏
第七章 念仏の利益
第八章 念仏の証拠
第九章 往生の諸行
第十章 問答料簡
結語 『往生要集』に対する評価


中村 元[ナカムラ ハジメ]
著・文・その他

内容説明

「地獄」と「極楽」。インド思想や一般仏教には存在しないこの対立概念が日本人の宗教観として根づくのには、平安時代に著された『往生要集』の影響があった。膨大な仏典を博捜して経文を抜粋し、念仏を勧め、「我と共に往生極楽の縁を結ばん」とよびかける源信の思想とインド仏教の原典を比較検討し、彼が基礎づけた日本浄土教の根源と特質を探究する。

目次

厭離穢土(汚れた世界を厭い離れるべきこと)
欣求浄土(浄土に生まれることを願い求めること)
極楽の証拠
正修念仏
助念の方法(念仏をするときの助けとなる手段)
別時念仏(特定の日や場合に行なう念仏)
念仏の利益
念仏の証拠(念仏を勧める証拠としての経典の文章)
往生の諸行(浄土に往生するためのさまざまな修行)
問答料簡(問答による教義の解明)
『往生要集』に対する評価

著者等紹介

中村元[ナカムラハジメ]
1912年、島根県松江市生まれ。東京帝国大学文学部印度哲学梵文学科卒業。1954年から73年まで、東京大学教授を務めた。専攻はインド哲学・仏教学。文化勲章受章。1999年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

46
往生要集の解説、というよりは引用されている原典に照らし合わせて、その歴史的意義や初期大乗仏教との違いを浮き彫りにした一冊。解説書としても優秀で、極めてわかりやすい。いままで読んだ往生要集関連は浄土系列の教義を中心としたものが多かったので、このような比較宗教学的な観点からの見方は目新しかった。六道や十楽の解説もわかりやすいし、地獄や餓鬼の変遷も興味深い。往生要集以前読んだが、結構忘れている部分があるしここでは触れられていない記述も多いので、これを機会にもう一度読み直そうかと思わされた。2013/10/24

姉勤

27
一寸先は闇なのは古今東西。往く前の心構えとその先の、地獄極楽ガイドブック、往生要集の参考書。僧侶というよりは学者に近い源信坊の日本仏教の萌芽。独自にローカライズされた仏教の、嗜虐趣味な地獄の黙示録。仏教ではそこすら苦と迷いの世界の、快と楽の極みの極楽浄土。怪獣図鑑のようなホトケの特徴の細部解説。天竺と震旦のテキストも交え、宝石に飾り立てられた極彩色と、ご利益をつけまくった大陸風味は口に合わないし、無限の功徳があるのなら、一言念仏しても極楽往生できるとしても、後ろめたさが先に来る「日本人」のマイ仏教。2017/04/16

moonanddai

11
浄土教の一つの画期となる往生要集。確かにこの書によって、念仏の対象が阿弥陀、観音,勢至などから阿弥陀に(あえて)絞られたこと、自らの極楽往生を願うのは自利のためのみではないことを述べたことなど、その後の法然や親鸞への道を開いたことになりました。また、本来は輪廻の一つであり、インド・中国では対比されなかった地獄が、日本では極楽と対として考えられるようになったのは、この書による地獄の印象が強烈だったこと、西洋の神は審(さば)きの神だが、仏教の仏に審きがないことなど、(私にとっての)「気づき」が多い書でした。2022/11/14

roughfractus02

10
「浄土」に関する経典の引用からなる源信『往生要集』をパーリ語、サンスクリット原典と対照する著者はね日本の「往生」概念を作った源信の解釈について検討する。この世界を一切皆苦とする仏教は、畜生、阿修羅、餓鬼、人間、天上、地獄等の「衆生の生存領域」を記してきたが、それらは極楽と対立していないとする本書は、源信が苦の状態(畜生等)でなく、苦の世界を表す地獄を極楽と対立させた理由を、仏教が罪があっても罰がない宗教である点に求める。源信は現世の善悪の因果を来世に拡張し、宝飾過多のインドの極楽イメージも払拭したという。2021/03/29

かず

9
本HPあらすじに「『地獄』と『極楽』を対立するものとする概念」とあるが、私はそれを見て、「日本浄土教の二元性をインド思想から見て異質」と論じる本と推測し、読み始めたが、そうではなかった。本来、「地獄」とは「六道」「十界」のうちの一つである。対して「極楽」は、浄土経典において語られる理想郷のことであり、本来、地獄と相対視されるべきものではない、という主張に、目から鱗が落ちた。本書の地獄の表現は生々しく、当時の人には戦慄の内容だったであろう。しかし、現代に生きる我々は、これを迷信的に捉えず、論理的に捉え、2015/01/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7457003
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品