講談社学術文庫
記号論〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 332p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921947
  • NDC分類 801
  • Cコード C0110

出版社内容情報

『薔薇の名前』などの名作の背景にある、哲学、言語、そして芸術への思索と壮大な構想。記号を生産するという営みの核心を思考する!『薔薇の名前』の著者が問う「コードの理論」!
意味作用とコミュニケーションにかかわるあらゆる現象を統合的に捉える基本概念・理論をソシュール、パースを起点に体系化

記号とは何か。諸研究の成果をふまえて基本概念・理論を体系化。慣習的な認知を前提に意味作用とコミュニケーションを可能にするコードの成立の過程と機能の範囲について分析する。言語、思想、芸術……文化の種々層が実は記号現象として捉えうることを示し、意味の生成・伝達にかかわるあらゆる現象を統合的に捉える方法を追究する、壮大な思索の軌跡。

記号は固定化した記号論的存在物ではなく、いくつかの独立した要素(二つの異なる面の二つの異なる体系から由来し、コードによる相関関係に基いて合流する)の合流点なのである。もともと、記号などというものは存在せず、存在するのは記号機能だけなのである。……記号はコード化の規則により要素間に一時的な相関関係が成立する結果として暫定的に生じるものである。――<本書より>

※本書の原本は、1996年に岩波書店より刊行されました。

序論 文化の論理を求めて
第1章 意味作用とコミュニケーション
第2章 コードの理論


ウンベルト・エーコ[ウンベルト エーコ]
著・文・その他

池上 嘉彦[イケガミ ヨシヒコ]
翻訳

内容説明

記号とは何か。諸研究の成果をふまえて基本概念・理論を体系化。慣習的な認知を前提に意味作用とコミュニケーションを可能にするコードの成立の過程と機能の範囲について分析する。言語、思想、芸術…文化の種々層が実は記号現象として捉えうることを示し、意味の生成・伝達にかかわるあらゆる現象を統合的に捉える方法を追究する、壮大な思索の軌跡。

目次

序論 文化の論理を求めて(記号理論の輪郭;「記号論」―研究分野なのか体系的学問なのか;コミュニケーションと意味作用 ほか)
第1章 意味作用とコミュニケーション(基礎的なコミュニケーション・モデル;体系とコード;構造としてのsコード ほか)
第2章 コードの理論(記号機能;表現と内容;表示と共示 ほか)

著者等紹介

エーコ,ウンベルト[エーコ,ウンベルト] [Eco,Umberto]
1932年生まれ。イタリアの記号論学者・小説家

池上嘉彦[イケガミヨシヒコ]
1934年京都市生まれ。東京大学大学院英語英文学科修了。Yale大学大学院言語学科Ph.D。昭和女子大特任教授、東京大学名誉教授。専攻は認知言語学(特に意味論)、記号論、詩学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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まふ

26
「記号論学者」としてのエーコの学識を知りたく読んだ。記号をコミュニケーションに限定するソシュールに対して、徴候やシンボル等を含めた「世の中全般の記号」を解釈をしようと欲張っているためか、話がいきなり拡大して一向に収斂する気配がない。ここにもエーコの「ひけらかし趣味」が出ているとしか思えない。様々な現象を「こんなにも知っているぞ」と並べてもその筋道が説明できなければ「論」とは言えないだろう。エーコ自身がまだ「記号論とは何ものか」をつかみ切れていないのではではないか、と思えて、下巻に進むのをやめた。2020/12/04

たか

7
ツイッタラー様が取り上げていたから読みましたが結構難しい…2017/05/31

シンドバッド

7
原文そのものが、日本語に翻訳するのになじまないのかもしれないが、難渋であった。英語版からの翻訳だからか?私にとっては、小説家のエーコより、記号論理学者のエーコに、強い興味があった。学生時代の記号論理学の専攻は、完全に錆び付いていた。2015/01/30

またの名

7
ソシュール記号学や構造主義言語学の流れを押さえつつも、パース流の記号論をより評価して文化的営みとしてのコードと記号生産についての理論を確立した本。オッカムに倣って簡潔を良しとし、「~でなければならない」という命法的なものではなく柔軟な理論を目指しているので、非常に抽象的な説明をしていても謙虚な姿勢が感じられる。柔軟すぎて消費期限が早かったと断定する向きもあるだろうけれど、記号論の理論フレームを用いた方が文化現象を解釈するのに都合が良いのは未だ事実。表紙のリンゴからコードの作用を読み取るようになると一人前。2013/12/03

roughfractus02

6
記号をコミュニケーションに限定するソシュールに対して、著者は徴候やシンボル等を含めたパースの記号解釈を採用する。記号現象を記号と対象と解釈項の相互作用と捉える本書は、記号を慣習として扱い、意味を文化的単位とする文化記号論に向かう一方、記号論をそのつど検証と反証を許容する科学として扱う。後者を探求する本巻では、ノイズの増減による情報理論のウォーターゲート・モデル、成分分析におけるKFモデル、意味論の改訂モデル、意味が無限反復するモデルQを検討し、コードとメッセージの間に開かれた相互関係を導入しようと試みる。2019/01/18

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