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講談社学術文庫
金日成

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  • サイズ 文庫判/ページ数 621p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921626
  • NDC分類 289.2
  • Cコード C0130

出版社内容情報

金日成の足跡だけでなく、政治体制の成り立ちまで解明し、<北朝鮮>とは何かに答える。泰斗による北朝鮮現代史の決定版、完全翻訳!

朝鮮民主主義人民共和国。その建国の父とされた金日成の生涯を跡付けた朝鮮研究の最重要古典。
 満州抗日戦争を指導者の一人として戦った不屈の闘士は、ソ連の代理人として果てしなくつづく党内抗争をも勝ち抜いた。その粛清の歴史は、西側陣営・ソ連・中国の三方面を相手に立ち回る国家的苦悩に彩られていた。
〈北朝鮮〉とはなにか? 
 答えは金日成の歴史のなかにある。
(解説・和田春樹)

日本語版への序文
まえがき
第1部 若き金日成と東北抗日連軍
    第一章 その生い立ち
    第二章 金日成と東北抗日連軍
    第三章 抗日闘争の日々
第2部 権力基盤の構築
    第四章 ソ連占領下の北朝鮮
    第五章 朝鮮労働党
    第六章 共和国の樹立と朝鮮人民軍の創建
第3部 窮地に立つ金日成
    第七章 朝鮮戦争と権力闘争
    第八章 戦後
第4部 主体思想への道
    第九章 経済の飛躍的発展を求めて
    第十章 中ソ論争と金日成
第5部 自主路線をひた走る金日成
    第十一章 軍の抬頭
    第十二章 南の革命
    第十三章 パルチザン派の解体
第6部 金日成王国の誕生
    第十四章 対南政策および第三世界との関係
         ――一九七〇年代に入って
    第十五章 党から行政府への権力の移行
    第十六章 新旧世代の交代
第7部 主体思想と共和国
    第十七章 金日成の政治思想
    第十八章 金日成の国

金日成関係主要年表
訳者あとがき
文庫版 訳者あとがき
解説(和田春樹)
人名索引

【著者紹介】
■徐大粛(そ・ですく)/著   
1931年、吉林省龍井村にて長老派教会の牧師の家に生まれる。本貫は咸鏡北道会寧。解放後、ソウルに移住。延禧大学一学年時に朝鮮戦争に遭い、1952年に渡米。1958年、テキサス・キリスト教大学を卒業したのち、コロンビア大学大学院にて博士号取得(政治学)。ハワイ大学教授、ハワイ大学朝鮮研究センター所長を歴任。
【著書】
The Korean Communist Movement, 1918-1948 (1967); 金進訳『朝鮮共産主義運動史 1918~1948』(コリア評論社、1970年).
Documents of Korean Communism (1970).
Communist Party Leadership: Political Leadership in Korea(1976).
Korean Communism 1945-1980: A Reference Guide to the Political System (1981).
『金日成と金正日』古田博司訳(岩波書店、1996年)。

内容説明

朝鮮民主主義人民共和国。その建国の父とされる金日成の生涯を跡付けた朝鮮研究の最重要古典。満州抗日戦争を戦った英雄は、ソ連の代理人として果てしない党内抗争をも勝ち抜いた。その粛清の歴史は西側・ソ連・中国の三方面を相手に立ち回る国家的苦悩に彩られていた。“北朝鮮”とはなにか?答えは金日成の歴史のなかにある。

目次

第1部 若き金日成と東北抗日連軍
第2部 権力基盤の構築
第3部 窮地に立つ金日成
第4部 主体思想への道
第5部 自主路線をひた走る金日成
第6部 金日成王国の誕生
第7部 主体思想と共和国

著者等紹介

徐大粛[ソデスク]
1931年、吉林省生まれ。解放後ソウルに、1952年、米国に渡る。政治学博士(コロンビア大学)。ハワイ大学教授、同大朝鮮研究センター所長を歴任

林茂[ハヤシシゲル]
1943年生まれ。京都大学大学院経済学研究科修了。専攻はアジア現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

57
偉大なる首領金日成主席の評伝。元は88年にアメリカで発行された物なので、金日成の死は描かれていないが、現在読んでも全く差し支えない。むしろ現在の北朝鮮の行き詰まりが金日成の時点ですでに暗示されていたことが面白い。国が中ソに頼って成立しているため、皮肉にも「主体」ではない。そもそも著者曰く、主体思想自体が社会主義というよりはナショナリズムであると指摘している。2021/07/19

BLACK無糖好き

13
巷の北朝鮮に関する本を読む前に、先ずはこの本を読んでおくべきだったなと痛感した。金日成の生涯を通して北朝鮮の国家の成り立ちを極めて客観的に叙述している。抗日パルチザン活動、解放後の労働党創立、朝鮮戦争と権力闘争、中ソ対立から自主路線へ、主体思想と独裁体制の確立。時々において直面した現実にどう対応し、どのような課題を自らに果たしてきたかを詳説。一方で国民を抑圧する体制も完全に作り上げた。原著は1988年出版だが、巻末に和田春樹先生によるその後の動きも含めた解説付き。盤石。 2016/09/19

Masayuki Shimura

4
[素顔の「首領」]公開されている情報量が少なく、ともすれば誤謬ばかりが目についてしまいかねない中で、ここまで学術的かつ客観的に金日成という人物を捉えていることにまず感銘を覚えました。金日成の歩みが北朝鮮のそれと不可分であることを踏まえれば、朝鮮半島問題に関心のある人にはぜひオススメしたい作品です。執筆からかなりの時間は経過していますが、今日においても引き続き手に取る価値が十二分にある古典の域にある作品なのではないでしょうか。2017/03/29

可兒

3
かなりの史料を駆使したと思われる労作。どちらかと言えば北よりと思われる文章で、正日に根拠のない期待をかけていたようだが、それでも毀誉褒貶をきちんと分けて考えているあたり貴重。それにしてもすっかり忘れていたが、金日成って冷戦後も何年か生きてたんでしたね2013/04/10

鏡裕之

2
共産党員としての実績もマルクス主義の素養もなく、ただゲリラ隊(パルチザン)の隊長だった男が、いかにして国家のトップに昇りつめ、独裁的な体制をつくりあげたかを記した一冊。南北が分断された時、有力な運動家たちが南に集結していたという事実、ソ連の思惑、ソ連(スターリン)に忠誠を誓う金日成。60年代の中ソとの対立は独自路線を生み出したが、それによる軍事的経済的支援の途絶により、北朝鮮は軍事費が増大、経済が圧迫されて今の凋落の原因をつくった。今の北朝鮮の大きなバックボーンが見える一冊。 2013/10/18

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