出版社内容情報
小菅 桂子[コスゲ ケイコ]
著・文・その他
内容説明
インドに生まれ、イギリスを経て、近代黎明期の幕末日本に西洋料理として入ってきたカレー。いまや「国民食」となったカレーの受容と変容は、近代における西洋文明の受容と、日本風アレンジの歴史そのものだった。多岐にわたる資料を渉猟して、日本のカレーの歴史と謎を解明し、そこに秘められた人々の知恵と苦闘のドラマを描いた、異色の食文化史。
目次
第1章 カレー美味の秘密
第2章 カレー伝来の道
第3章 カレー日本史事始
第4章 カレー繁盛記
第5章 カレー二都物語
第6章 カレーの戦後史
著者等紹介
小菅桂子[コスゲケイコ]
1933~2005。昭和女子大学短期大学部国文学科卒業、國學院大學文学部卒業。くらしき作陽大学食文化学部教授を務めた。専門は食文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
399
本書は講談社学術文庫の1冊だが、学術というには新しい見解や、あるいは卓見があるわけではない。いわば入門書的なものといえるだろう。カレーについて総合的に考察してはいるのだが、残念ながら執着と深みに欠けるようだ。カレーをめぐる考察としては、なんだか頑張った卒業論文みたいなのである。もちろんレベルがということではなく、あくまでもそのスタイルがということであるが。しかし、いずれにしてもカレーを語らせれば、森枝卓士に数日の長があることは確かだ。ここにも、あれくらいの執着と、カレーに対するあくなき追求が欲しいところ。2014/04/24
佐島楓
84
カレーライスの世界及び日本での発展史。ひとつの料理を題材にここまで膨らみを持たせることができる、そのことにカレーライスの偉大さ(大げさですかねぇ……)を感じる。数々の試行錯誤があってこその今日のおいしさと姿。作り食べるときの意識が少し変わりそうだ。2020/01/23
壱萬参仟縁
61
昨日、そして、今日の授業でも閲覧してもらいます。歴史総合などでも、マルコ・ポーロ、コロンブス、マゼランとかでてくるので。英語でのカレーの歴史を日本語で興味を持って取り組める本です。コロッケの唄、は、大正ロマンですねぇ。YouTubeで見られますよ。2024/05/02
パトラッシュ
51
ガイド本を抱えてカレー店を食べ歩いた私には、カレーのない生活など想像もできない。カレーライスが日本人の国民食となったのかをたどる本書は、カレー好きには聖書みたいなものだ。固形カレーの発達や一般への拡大などメーンの話だけでなく、ジャガイモ、タマネギなど西洋野菜の導入や地方独自のカレーにまで目が行き届いていて実に楽しい。政治経済社会の動きが歴史だとされているが、庶民の衣食住文化の変遷こそ国民の歴史なのだ。宮中晩餐会のフランス料理より町のカレー店を選ぶ。世界遺産になった和食にはカレーライスも含まれると確信する。2020/10/17
へくとぱすかる
49
同じ講談社学術文庫で2冊のカレーライス本。この事実からも、日本人がカレー好きなのは、何よりも明らかである! いやいや、2冊とも読んだ私こそ、誰が何と言おうと、よっぽどカレーが好きなのに違いない。本日の昼食はカップ焼きそばだったが、カレー味だったし(笑)。関東の高級志向、関西の大衆志向の差はあっても、カレーが大人気なのは同じ。一度、ルーでなく、粉から作ってみたい。2016/06/18
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