講談社学術文庫<br> 永楽帝―華夷秩序の完成

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講談社学術文庫
永楽帝―華夷秩序の完成

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921480
  • NDC分類 222.058
  • Cコード C0122

出版社内容情報

華夷秩序。一人の男が皇位簒奪、大量殺戮、歴史書き換えの果てに造り上げた〈世界システム〉。それは前近代東アジアを律しつづけた。

華夷秩序。一人の男が皇位簒奪、大量殺戮、歴史書き換えの果てに造り上げた〈世界システム〉。それは前近代東アジアを律しつづけた。


はじめに
第一章 中華という名の世界
  1 中華と夷狄
  2 中華世界の変転
第二章 大明帝国の誕生
  1 中華の回復
  2 元から明へ
  3 明初体制の意味するもの
第三章 皇統のゆくえ
  1 燕王の事蹟
  2 暗闘
第四章 奪権への階梯
  1 南人朝廷
  2 挙兵前夜
第五章 歴史の翻転
  1 靖難の変
  2 理念の末路
第六章 失われた時のなかで
  1 建文出亡
  2 滅びゆく者たち
第七章 天命の所在
  1 聖王の御代
  2 徳治の実態
第八章 クビライを越えて
  1 四夷朝貢
  2 拡大する中華
第九章 華夷秩序を統べる者
  1 順逆の理
  2 天子の都
第十章 永楽帝の遺産
  1 盛世の翳り
  2 中国史の転換点
参考文献
あとがき
文庫版あとがき

【著者紹介】
1950年生まれ。神戸市出身。京都大学文学部卒業、京都大学大学院博士課程修了。京都女子大学教授。文学博士(京都大学)。専攻は中国近世史。
○著書
『明の太祖 朱元璋』白帝社、1994年。
『明朝専制支配の史的構造』汲古書院、1995年。
『中国人物列伝――第三講・第四講』(共編著)恒星出版、2004年。
『元明時代の海禁と沿海地域社会に関する総合的研究』(科研成果報告書)2006年。

内容説明

明朝第三代、永楽帝。甥である建文帝から皇位を簒奪し、執拗なまでに粛清と殺戮を繰り返し、歴史を書き換えて政敵が存在した事実まで消し去ろうとした破格の皇帝。その執念と権勢はとどまるところを知らず、中華の威光のもと朝貢国六〇余をかぞえる「華夷秩序」を築き上げた。それは前近代東アジアを律しつづけた中華の“世界システム”であった。

目次

第1章 中華という名の世界
第2章 大明帝国の誕生
第3章 皇統のゆくえ
第4章 奪権への階梯
第5章 歴史の翻転
第6章 失われた時のなかで
第7章 天命の所在
第8章 クビライを越えて
第9章 華夷秩序を統べる者
第10章 永楽帝の遺産

著者等紹介

檀上寛[ダンジョウヒロシ]
1950年生まれ。神戸市出身。京都大学文学部卒業、同大学院博士課程修了。京都女子大学教授。文学博士(京都大学)。専攻は中国近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ゲオルギオ・ハーン

19
明朝の太宗 永楽帝について太祖 洪武帝との連続性、華夷秩序の形成をキーワードにまとめた一冊。洪武帝に評価されながらも後継者には指名されず、建文帝政権との対立をのりこえ、即位した苦労人の皇帝。洪武帝が国内新秩序を打ち立てたのに対して、永楽帝は国外の諸国に対して秩序を形成した。その華夷秩序という考え方と政策が面白く、室町幕府との外交も多めにページを割いているので世界史の理解が深まった。また、華夷秩序の形成に拘り、採算度外視のモンゴル遠征を繰り返したというのも一貫していて彼の思想は捉えやすい。2020/12/19

T2y@

12
ライフネットの出口さん著『世界史』で興味を持った永楽帝。 初の内閣制度採用と宦官重用。大航海時代前に海原を席巻した鄭和艦隊。 クビライ・ハンの有形・無形の影響など、明国中興の祖たる皇帝の功罪を知る。 が、最も印象深いのは、支配を進める上で行った、数々の残酷な刑罰と殺戮の様相。 生々しい歴史書とも言える。2015/04/10

nizi

6
永楽帝がなにを成し遂げようとしていたか、どのような思想の元、政務を執っていたかを解説。朱子学と華夷思想をベースに、外征を繰り返していたのではとの推察も含まれている。講談社学術文庫なので真面目な考察なのだが、著者がノリノリなのは永楽帝がくだした残虐な刑罰シーンであった。2025/01/26

鏡裕之

6
史学科の先生が書いた本というと、見ている視点(メタレベル)が低くて知的刺激が少ないものが多いのだけれど、壇上先生のこの本は、先生なりのパースペクティブが見えてよかった。元末から明への連続性。明の初代皇帝と第3代皇帝の目指したものの違い。ただ史実を並べただけに終わっていず、ある程度の高みから分析した議論も加えられているのが、知的欲求を刺激する。良書だね。 2013/01/26

MUNEKAZ

5
永楽帝の評伝。五度に渡るモンゴル親征や鄭和の南海遠征など華夷秩序の構築にこだわった治世について、甥・建文帝からの帝位簒奪の汚名を雪ぎ、正当化することに淵源があったとする。面白いのは永楽帝が目指し、超越しようとした相手を、唐の太宗ではなく元のクビライと見るところ。足利義満からの朝貢を喜んだり、ベトナムの内国化を推進するあたりは、著者の述べるようにクビライを越えようとする意志が感じられて興味深かった。2017/06/19

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