講談社学術文庫<br> 宗教と権力の政治―「哲学と政治」講義〈2〉

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講談社学術文庫
宗教と権力の政治―「哲学と政治」講義〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 264p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921398
  • NDC分類 230.4
  • Cコード C0131

出版社内容情報

「政治」と「宗教」の交錯と激突のドラマ。トマス・アクィナス、マキアヴェッリ、宗教改革。「政治の解体」と中世の終幕までを論じるそれぞれに忠誠心を要求し、人間の行動を左右し、激しく衝突してきた「聖」と「俗」との長い抗争は、政治に何をもたらしたのか。「政治とは何か」を考えるシリーズ二冊目の本書は、教皇至上権とトマス・アクィナスの政治論、ルターの宗教改革、マキアヴェッリの権力論、さらに宗教戦争を経て、「政治の解体」が訪れ、中世が終幕をむかえるまでを論じる。(講談社学術文庫)

まえがき
第一章 教皇至上権―信仰共同体の上に築かれた権力
第二章 トマス・アクィナスと政治論―信仰共同体の分節化
第三章 教会論の再構築と宗教改革―さまざまな宗教改革
第四章 マキャヴェッリと権力の問題―政治における強制
第五章 宗教戦争と政治の解体―主権論と中世の終幕


佐々木 毅[ササキ タケシ]
著・文・その他

内容説明

それぞれに忠誠心を要求し、人間の行動を左右し、激しく衝突してきた「聖」と「俗」との長い抗争は、政治に何をもたらしたのか。「政治とは何か」を考えるシリーズ二冊目の本書は、教皇至上権とトマス・アクィナスの政治論、ルターの宗教改革、マキアヴェッリの権力論、さらに宗教戦争を経て、「政治の解体」が訪れ、中世が終幕をむかえるまでを論じる。

目次

第1章 教皇至上権―信仰共同体の上に築かれた権力(「神の国」から地上の統治へ;教皇至上権への道;異端の登場と修道院の役割)
第2章 トマス・アクィナスと政治論―信仰共同体の分節化(理性は信仰により完成される;徳の序列と法の体系;世俗の秩序の安定をめざして)
第3章 教会論の再構築と宗教改革―さまざまな宗教改革(世俗権力の逆襲;教皇絶対主義の崩壊と改革運動;宗教改革)
第4章 マキアヴェッリと権力の問題―政治における強制(混乱の時代の外交官として;統治の核としての強制力;教会と共和政について;道徳と政治の分断)
第5章 宗教戦争と政治の解体―主権論と中世の終幕(宗派中心主義と「政治の解体」;無秩序の絶望から生まれた主権論;絶対主義の自己矛盾;政治と宗教の分離と共存)

著者等紹介

佐々木毅[ササキタケシ]
1942年生まれ。東京大学法学部卒業。専攻は政治学、政治思想史。東京大学法学部教授、東京大学総長などを経て、学習院大学法学部教授、東京大学名誉教授、日本学士院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

なつき

5
『宗教と権力の政治 「哲学と政治」講義Ⅱ』読了。Ⅰに続く内容で、教皇至上権、トマス・アクィナス、教会論、マキアヴェッリ、そして宗教戦争まで。Ⅰのときにも思ったけど、政治と哲学という論点がぶれないので好印象。とくに「聖/俗」を知りたいときにはアクセスしたい本のひとつとなりそうだ。2018/08/07

ミカド

3
哲学と政治講義シリーズ第2弾。中世ヨーロッパ政治思想を中心に宗教改革、マキァベッリ、ボーダンの政治思想について講義調で書かれた本。特に個人的に第3章の宗教改革についての叙述が、どのようにしてルターに始まる宗教改革が行われるに至ったのかを思想を着眼点とした分かりやすい説明がされておりおすすめ。2017/11/25

たかみりん

3
宗教と言っても色々あるが、本書で取り扱っているのはキリスト教。中世初期、教会は信仰共同体として政治権力と共に社会全体をカバーする組織として機能していた。それが領域国家の誕生に伴い、教皇権の没落、宗教改革を経て、権力から分離していく様を分かりやすく解説する。中でも面白いなと思ったのがマキアヴェッリの章で、なぜ彼が政治学の祖とされるのか、彼の思想がなぜラディカルで危険な思想と見なされたのかが、この文脈で説明されるととてもすっきり理解できる。さすがマキアヴェッリに造詣の深い先生ならではのご本だなという感じ。2014/04/29

mochita

2
『よみがえる古代思想』の続き。複雑怪奇な中世ヨーロッパが実に面白く書かれていて、引き込まれる。特に宗教革命のところは、ワクワクするのでぜひご一読を。2017/11/02

うえ

2
「カルヴァンとマキアヴェリは,ほとんど同じようなことをいっています。ただ片方は宗教改革家になり片方は権力の政治学を提供したことが非常におもしろい」「マキアヴェリの政治学は…外面的世界における統治に関心を絞るもの」「人権というのは近代になって出てきた新しいきわめて抽象的な権利概念です…ただ生きて食べるしか能力がない人間がどうして権利を持つのかということで,大騒ぎしたわけです」「一人だけ中世において立法権を持っていた人がいたのです。これこそほかならぬローマ教皇その人です」2014/11/08

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