講談社学術文庫<br> 政治のことば―意味の歴史をめぐって

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講談社学術文庫
政治のことば―意味の歴史をめぐって

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  • サイズ 文庫判/ページ数 291p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921251
  • NDC分類 311
  • Cコード C0130

出版社内容情報

日本語から考えてみよう! ヲサム、シラス、イキホヒ…古代以来の政治の言葉の語源・用法から日本政治の特質を解明する先駆的研究!

マツリゴト、ヲサム、イキホヒ、シロシメス……。権利、権力、自由と統治……。日本人は政治にかんして、なにを、どのようにとらえ、どう意識してきたのか。古代から近代まで、日本語として日常的に使われてきた「政治のことば」の用例を追いかけ、日本政治の深層に潜む意識とその構造を暴き出す。隣接分野に大きな影響を与えた先駆的研究、復刊。


はじめに

■第1部 古代政治の語彙

   1 ヲサム
   2 カトル、ウナガス
   3 マツリゴトとタテマツリモノ
   4 シル、シラス、シロシメス
   5 イキホヒと勢・威・徳・権

■第二部 国家意識と世界像をめぐって

   一 蕃国と小国

   二 〈辺土小国〉の日本 
      1 道元の抵抗
      2 普遍への道
      3 辺土の凡夫
      4 凡夫の救済
      5 辺地の往生
      6 辺土の神聖化
      7 大国と小国
      8 神国観の形成
      9 本地垂迹

■第三部 近世都市意識の言語

     都市社会の成立

■第四部 近代政治の語彙

   一 「権利」「権力」について

   二 統 治
      1 govern・支配・統治
      2 近代語「統治」の成立
      3 天皇「統治」の意味
      4 日本国憲法と「統治」

あとがき

文庫版あとがき

解説 (保立道久)

【著者紹介】
1939年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。法政大学法学部教授(現名誉教授)、国際基督教大学客員教授を歴任。専攻は政治学、日本政治史、公共政策論(生命政治論)。

○著書(単著・共著・共編・訳)
『政治のことば――意味の歴史をめぐって』(平凡社、1984年)。
『国家の起源と伝承――古代インド社会史論』(ロミラ・ターパル著;山崎元一・成沢光訳、法政大学出版局、1986年)。
『現代日本の社会秩序――歴史的起源を求めて』(岩波書店1997年、岩波人文書セレクション2001年)。
『法と遺伝学』和田幹彦編著(第一章「日本における遺伝看護とELSI」/法政大学出版局、2005年)。
『生殖補助医療』(神里彩子・成澤光編、信山社、2008年)。

内容説明

マツリゴト、ヲサム、イキホヒ、シロシメス…。権利、権力、自由、統治…。日本人は政治にかんして、なにを、どのようにとらえ、どう意識してきたのか。古代から近代まで、日本語として日常的に使われてきた「政治のことば」の用例を追いかけ、日本政治の深層に潜む意識とその構造を暴き出す。隣接分野に大きな影響を与えた先駆的研究、復刊。

目次

1 古代政治の語彙(ヲサム;カトル、ウナガス;マツリゴトとタテマツリモノ;シル、シラス、シロシメス;イキホヒと勢・威・徳・権)
2 国家意識と世界像をめぐって(蕃国と小国―古代日本人の対外観について;“辺土小国”の日本―中世的世界像の一側面について)
3 近世都市意識の言語(都市社会の成立)
4 近代政治の語彙(「権利」「権力」について;統治)

著者等紹介

成沢光[ナルサワアキラ]
1939年生まれ。法政大学名誉教授。元国際基督教大学客員教授。日本政治史、公共政策論(生命政治論)専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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壱萬参仟縁

21
1984年初出。奈良、平安期の権の用法で特徴は批判、非難的文脈で用いられることが多い。専権、擅権、権威、権勢を誇ㇽ、募ㇽ、仮ㇽ、独擅ス(95頁)。『歎異鈔』においては本願による摂取不捨の普遍性が強調され、『教行信証』等では真実信心への勧奨が眼目(168頁)。日蓮は初期、仏教は必ず国に拠て之を弘むべしといい、貧富の差などを予め細かく知った上で伝法すべきだと説いていた(171頁)。今や創価学会の人は長い者に巻かれているけども。『立正安国論』で国の字の大半をくにがまえの中に民と表記していたという(176頁)。2014/12/26

chanvesa

19
「『統治』なる語の歴史的含意が持つ一種の呪縛力(269頁)」は、違憲立法審査権における統治行為論の背景として書かれているが、昨今の集団的自衛権の法案をめぐる「司法」の状態を想起させる。「高度の政治性」は司法の対象外といういびつな三権分立は、権力の「聖性」とつながるかのようだ。「シラス・シロシメスの主語が神々と天皇にほぼ限られ、支配の正当性を表す(248頁)」一方、「『統治権』総攬者が政策…および各機関に実質的に関わることが少なかった(265頁)」ことは、無責任の体系につながるとは言えないだろうか。2015/11/03

かやは

7
言葉の使われ方を探ることで、物事の関係性を知る。言葉の変移を辿ることで、歴史を知る。古文や漢文が訳されずにそのまま引用されているので、とても読み進めにくかった。が、巻末の解説がとてもわかりやすくて、なんとなく著者の言いたいことは掴めた。2013/02/18

さとうしん

3
古代の「ヲサム」「マツリゴト」から近現代の「統治」「権利」まで、日本語の政治に関する語彙を追うことによって、日本の為政者の政治に対する意識を探っていく。保立道久氏の解説にある通り、日本では「権利」という言葉に恣意的な利益の主張という悪いニュアンスが込められ、それと対になる「義務」が正しい務めというニュアンスが込められ、現代でも「権利には義務が伴う」などという言葉が一種の脅し文句として通用している状況からすると、政治に対する意識の変革はまず「名を正す」ところから始めるべきなのかもしれない。2015/11/07

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