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講談社学術文庫
青春の終焉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 539p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921046
  • NDC分類 904
  • Cコード C0195

出版社内容情報

近代日本の文学とは、いったい何だったのか。社会や思想状況と、どのように関わってきたのか。「青春」を鍵に展開する刺激的論考。

近代日本の文学とは、いったい何だったのか。社会や思想状況と、どのように関わってきたのか。「青春」を鍵に展開する刺激的論考。

【著者紹介】
1946年生まれ。『ユリイカ』『現代思想』編集長として活動後、評論家に転じる。主な著書に『私という現象』『メランコリーの水脈』『身体の零度』『考える身体』など多数。雑誌『ダンスマガジン』『大航海』を創刊し、編集長。

内容説明

小林秀雄は、なぜ、青春にこだわらなければならなかったのか。秀逸な小林論でありながらそこにとどまらず、近代日本の文学・思想を博捜し、さらには江戸時代までさかのぼってスリリングに展開する画期的文芸評論。「日本近代文学は青春という病の軌跡にほかならない。その視点に立ってひとつの歴史が語られなければならないと考えた」著者の会心作。

目次

青春の終焉
恋愛の台本
ドストエフスキーの波紋
歴史とカーニヴァル
道化の逆説
笑う近代
女々しさの勁さ
十九世紀日本文学
馬琴の影
故郷転生
教養の幻想
文化の皮肉
大学の死
急進と根源
失うものは何もなかった…

著者等紹介

三浦雅士[ミウラマサシ]
1946年生まれ。1970年代、『ユリイカ』『現代思想』編集長として活動。1980年代に評論家に転じ、文学、芸術を中心に執筆活動を展開。1991年には『ダンスマガジン』を創刊し編集長に。1994年には、思想誌『大航海』を創刊し編集長をつとめた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

東京湾

9
「青春」近代に入って輸入されたその概念は、どのようにして日本の思想や近代文学に吸収され、花開き、そして散っていったのか。小林秀雄に端を発し、滝沢馬琴まで遡り、漱石、ドストエフスキー、太宰、三島を経て、学生運動と教養主義の崩壊、そして少女漫画の誕生と村上春樹に至るまでを、「青春」を核に解析した、骨太の論考。近代文学史を丸々包括する重厚な内容であるため、一朝一夕に読み通せるような代物では決してなかったが、その分読み応えは十分で、何より面白い。文学を通し社会を読み解く糧ともなる評論であり、とにかく目を開かれた。2020/04/09

澄川石狩掾

4
「笑う近代」の章で、檀一雄による指摘を引きながら「太宰治は落語家である。そういっても誰も驚きはしないだろう」と断言してから、太宰治のテクストにおける落語性を分析する。恥ずかしながら、私は「驚」いてしまった。このような指摘は落語から縁遠い現代人をはっとさせる。2021/02/05

y-k-057

4
かなり壮大に日本文学を論じてる。2015/04/06

海野藻屑

2
言葉について語るとき人は言葉の意味を作るのでしょう。言葉の価値は人によって違うのかもしれないと思いました。2017/11/17

(^_^)/

1
小林秀雄はちゃんと読んだことがないので、なかなか入り込んで行くまでに時間もかかったけど、いざ気付くとページを繰る手が止まらない。熱中したな~。生きていく上で言葉というものがどうもひっかかる、言葉に何か余剰とも思われるような魔術性だったり、それ自体が醸し出す自律的な存在感なりを薄っすらと嗅ぎ取ってしまった人が読むと、腑に落ちるところがあると思う。青春という現象がよく“分かる”。最終的には、「失うものはない」という“共同体成立の秘密”にまで迫る力作だ。2013/01/12

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