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講談社学術文庫
江戸滑稽化物尽くし

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  • サイズ 文庫判/ページ数 266p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062920681
  • NDC分類 913.57
  • Cコード C0195

出版社内容情報

黄表紙に描かれる化物を「笑い」で分析する粋人に憧れる見越入道、幽霊にはめられたももんがあ。江戸の町を闊歩するドジで憎めぬ化物たちを通し、駄洒落、パロディー、諷刺に喝采した江戸っ子の心性を考察

内容説明

絵と文章で構成され、江戸時代中期、社会風潮や流行をパロディー化する大衆文学としてさかんになった黄表紙。そこに登場する、人間社会に興味津々な化物たちが巻き起こす数々の「笑い」は、現代を生きる我々に何を伝えるのか。化物という「異文化」を通し、江戸時代の生活様式や価値観、江戸っ子の心性を鮮やかに描き出した、異色の近世文学研究。

目次

プロローグ 化物との出会い
第1章 滑稽な化物たち
第2章 アウトサイダーとしての化物
第3章 化物の「異文化」と諷刺
第4章 江戸の不思議な異類
エピローグ 化物は国境を越える

著者等紹介

カバット,アダム[カバット,アダム][Kabat,Adam]
1954年、米国・ニューヨーク市生まれ。ウエスレアン大学卒業、東京大学大学院総合文化研究科比較文学比較文化専攻博士課程中退。武蔵大学教授。専攻は近世・近代日本文学(幻想文学)、日本の妖怪(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

unknown

6
源頼光の酒呑童子討伐の登場人物を、うどんやそば、薬味に置き換えた(!)恋川春町の『うどんそば 化物大江山』や、信長や秀吉といった武将が異類の姿で描かれる『化物太平記』は、思わず現本で読んでみたくなる興味をそそる内容。現代のパロディ同人誌に通じるユーモア精神を感じてとても感慨深いものがある。個人的には安永8年(1779年)の黄表紙本『怪談豆人形』に載っている、松茸の化け物が妖怪に親切に講釈している図絵にいたく心惹かれるものがあった。 http://t.co/51Si3rQt2013/02/12

かりこ

5
黄表紙の化物を中心に、江戸時代の「笑い」の文化を考える一冊。私が今まで読んできたアダム・カバットさんの本は絵が中心のものだったが、この本は絵よりも文章の方に比重が置かれているので、著者の化物に対する考えもよく分かって面白かった。江戸時代、特に黄表紙の時代、化物は笑いの対象であった。彼らは田舎者で、おしゃれな都会に憧れるものの上手くおしゃれができず、でも自分たちは十分イケてると思い込んでいるところなどが笑いをかもしだすようだ。黄表紙に描かれる化物達はどこかあどけなくて滑稽な印象のものが多くて見ていてほっこり2013/08/30

qoop

3
滑稽本のキャラクターとして、忌まわしい魔から愛され笑われる対象へと変貌した江戸の妖怪たち。民俗社会から切り離され、商品化される彼らだが、そもそも信仰対象である神から魔へと貶められた過去を背負っているのではなかったか。そういう意味では本質的に、時代に応じて、生活様式の変化に伴って、姿と意味を変えても生き抜いていく太々しさを備えていると云える。愛され笑われる対象となることは必然だったのかも。2014/07/06

果てなき冒険たまこ

2
以前から気になっていた著者さんの本を初めて読んでみた。江戸に蠢く化物や妖怪から文化を主に黄表紙などから読み解いていく内容はめちゃくちゃ面白い。黄表紙も少しは読んでるけど中身としてはほんと単純で面白いというよりニヤニヤしちゃう類なんだけどよく解説されていて感心してしまう。くだらないけど面白いがすべてを表してるかな。でもさ、やっぱりさ、当然さ、くずし字を読めるようにならないとほんとの面白さはわからないよなー。よし今年の目標はくずし字を読めるようになろう!でいこう。おみくじも大吉だったしいけるっしょ。2025/01/08

qbmnk

2
面白く読めた。黄表紙の化物の絵が可愛くて、楽しかった。怖い化物退治の話が元になって可笑しな化物の話になっていたり、江戸のパロディ文化の豊かさを感じる。都市生活者にとっては化物が恐怖の対象ではなく、少し見下した興味対象になっているという指摘も考えさせられた。古くからある百鬼夜行の絵も新しい忠臣蔵の話も取り込んだ黄表紙は奥深い。2019/09/07

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