出版社内容情報
試験地獄と過酷な競争はいかに制度化したか画一的な「試験と競争」を実施するために、近代の学制は整備された。衆目監視の昇級試験、監督官の過重労働、落第の恐怖など、明治日本の学校と試験の実態を描く
内容説明
私たちの国の学校は、なぜこれほど過剰に「試験」にとらわれてきたのか。著者は、画一的な「試験の実施」こそが、近代の日本に「学校」を普及させる動因だったという。夜を徹して行われる進級試験、衆人環視・戦慄畏縮の口頭試問、時に三割を超えた落第の恐怖。国民皆学実現の裏で、今に至る教育論争にも長い影を落とす「淘汰と競争」の起源を探る。
目次
序章 競争と試験の状況から
第1章 試験の風景
第2章 試験制度の成立
第3章 試験制度の実際
第4章 試験による淘汰と教育のひずみ
第5章 仕掛けとしての試験―試験による競争の組織化
第6章 中学校における競争と淘汰
第7章 進学競争の世界
終章 「試験の時代」と競争
著者等紹介
斉藤利彦[サイトウトシヒコ]
1953年福島県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。現在、学習院大学教職課程教授。東京大学大学院教育学研究科客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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