講談社学術文庫<br> 乃木希典

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講談社学術文庫
乃木希典

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  • サイズ 文庫判/ページ数 475p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062920285
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0121

出版社内容情報

「軍神」の実像と近代日本の宿痾を抉る名著常に国家意思と結びつくことで生かされてきた「明治の軍神」の生涯と人物像を、一般庶民から、漱石や鴎外、西田幾多郎らの乃木評までを織り込みながら描き出す。

内容説明

度を越した遊興、四度の休職と隠遁、東郷平八郎との明暗。「殉死」に沸騰する世論と、公表時に改竄された遺書。乃木希典とは、「明治国家」と根本的に相容れない人間性にもかかわらず、常に「国家意思」によって生かされ続けた人物だった。漱石、鴎外、西田幾多郎らの乃木評から小学生の作文まで網羅して描く「軍神」の実像と、近代日本の精神のドラマ。

目次

乃木希典の生涯(無人と父母;玉木文之進正〓(まさかぬの)のもとで
陸軍への出仕
萩の乱の渦中へ
士族叛乱のなかで
紅灯緑酒の人
ドイツ留学と帰国後の生活
台湾総督の前後
那須野の「農人」
日露戦争と乃木希典)
日露戦争後の社会と乃木希典(凱旋した第三軍司令官陸軍大将乃木希典;東郷平八郎と乃木希典;凱旋将兵と乃木;華冑界と乃木;社会風潮と乃木)
明治の終焉(御不例の号外;天皇の死と御大葬;乃木希典夫妻の自刃)
乃木の死が投じた波紋(分裂した世論;庶民の話題;キリスト者の憂愁;徳富/蘇峰・蘆花兄弟;矢内原忠雄・出隆・西田幾多郎;森鴎外と夏目漱石)
軍神乃木像の展開(小学校教育のなかでの乃木;『武人の徳操』と乃木;伝記のなかの乃木)

著者等紹介

大濱徹也[オオハマテツヤ]
1937年山口県生まれ。東京教育大学卒。文学博士。女子学院高等学校教諭、中京大学・筑波大学・北海学園大学教授などを経て、筑波大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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juunty

2
乃木希典は軍人ではなく学者、あるいは作家になればよかったのではないだろうか、との印象。明治の軍神と讃えられるが反動としての批判も強い。大将たる軍人は武を好み、勇猛果敢な意思を持っているはずという認識が崩れた。乃木将軍の人物については全体のうち150ページほどで、本人の手記をもとに記述され、他の部分は当時の新聞記事や意見書きなどを掲載している。当時そのままの文体が多く読みにくい面もあるが、客観的資料ともいえる利点がある。後半は乃木希典の生きた社会情勢の記載という意味が大きいと思う。2020/11/10

nox

1
乃木希典という人間の生涯を通して、明治の時代の変遷が描かれている。明治といえばやはり明治維新なのだが、その幕引きたる西南戦争、続く日清戦争、日露戦争と、まさしく日本が文明国の階段を駆け上っていった時代である。その中に生きた乃木は、明治という進化してゆく時代の中で、古い「武士道」を自己の信念として持っていた。人々に称えられ、誰でも知っていた乃木が、現代では忘れ去られている事に、戦争を契機とする断絶と時代の流れの速さを感じる。乃木に対する反応も、大正人程辛辣なのが日本人の精神の変化を表していると思う。2020/09/21

yasu

1
昭和までは有名人だったという乃木希典であるが、正直私たちの世代で知っている方はごくわずかなのではないか。当時は戦時を乗り切るために人々にとって精神的支柱が必要であったために乃木が神格化されたのだろう(個人的には軍神乃木像の記述を掘り下げて欲しかった)。漱石や鴎外などの明治人と志賀など大正人の乃木への感じ方が異なることも非常に興味深いです。2011/08/29

Yuuki Takanokura

0
乃木希典の生涯を比較的詳細に論じたもの。乃木日記や明治時代の文献引用が多いのは,よいような,悪い(読みにくい)ような。乃木希典に対する評価は低め。2011/01/30

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